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これは山梨県甲州市、旧塩山市の松里の農家の晩秋の光景を撮った写真です(岩波家)。「甲州百匁柿」の皮をを剥いて、天日干しにして作る「枯露柿(ころがき/干し柿)」です。まるでカーテンの様に、簾(すだれ)のように見えます。秋が深まるにつけ、秋空や冬空に映えて、なんとも言えないほど日本の農村特有の情緒です。
家内の好物ですが、よくできた干し柿は、目が飛び出るほどの値がつき、庶民の口には、なかなか入らなくなってきているのです。この干し柿の製造行程の途中で、商品になるのを、「あんぽ柿」と言って出荷され、高級料亭のデザートとして出るのだそうです。市販されているのは、小振りの渋柿から作っている様です。
数日前に、このアパートの入り口で、百匁柿と同じ形状の小振りの柿が、『甘いよ!』と売っていて、喜んで買って帰りました。生柿の好きな私ですから、早速洗って包丁で皮を向いて食べたのです。歯ごたえがあって、とんがった部分は甘くて美味しかったのですが、ヘタの近くの部分は、結構きつく<渋み>が残っていて、口中に広がってしまいました。もうがっかりでした。こちらのみなさんは、柔らかくなるまで待って食べる様です。
中国の柿は、渋柿が多く、平べったい「富有柿」の様な形状のものでも、渋いものが売られていて、注意しないと、<渋み>で口撃されてしまうのです。でも、今年もたくさん柿を食べました。まだ売っていますので、見つけようと思っています。こちらでは、上下に潰して作った干し柿はありますが、なぜか家内は欲しがらないのです。芸術品の様な、日本の「枯露柿」を知っているからでしょうか。
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