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「所変われば品変わる」と言われます。私が隣国から持ち帰った物の中に、きっと「ただ物」のなさに、驚かれることでしょう。それは、その国の紙幣なのです。タクシーに乗った時に払った料金のお釣りに受け取った20元紙幣でした。何の変哲もない様に見えましたが、実は「偽札」だったのです。
中国のみなさんは、それが回り回って、自分が手にすると、支払いに紛れ込ませて使ってしまうのです。公安警察に届けたりしないのです。外国人の立場で、これを使って発覚してしまうと、強制国外退去処分を受けますので、怖くて使えずに、私は、どなたかに上げるわけにもいかず、帰国時に持ち帰ってきたわけです。
私たちの国では、偽札が見つかると、新聞やテレビのニュースに、大々的に取り上げられて、重大事件です。もちろん使った人は警察に逮捕され、厳しく取り調べを受けます。立件されれば、使用者は懲役刑に処せられます。ところが隣国では、平気で、巷で流通しているのです。
例えば、100元紙幣をレジで手渡しますと、かならず店員さんは、上にかざして、「透かし」が入っているかどうかを確かめるのです。こちらはとても不愉快な気分にされるのですが、それも仕方のないことで、それだけ頻繁に流通しているから、そうせざるを得ないのでしょう。
欧米諸国のブラエンド品が、隣国のデパートの売り場に山積みにされて売られていました。これも偽物だらけなのです。とても安いのですが、高級品扱いです。それでも構わず、似せて作られた物なので、よく売れるわけです。正規品があれば、必ず非正規品がある社会なのです。
ところが、今は、ネットによる通信販売が主になってしまい、売り場は展示場で、品定めをしてから、買わずにいて、スマホでネット注文して購入してしまうのです。偽物でも、ブランド品のマークが入ってれば、それでいいので買われるのです。遠くから見たら真偽はどうでもいいからです。
ですから、全国展開のショッピングセンターやデパートで買うことはなくなってきていて、店内は閑古鳥が鳴くほどです。今や空港でも、中国新幹線駅でも、かつての賑わいがなくなってしまった様です。コロナ騒動以降は、商いは難しくなっています。
道端のシートの上に、品物を並べて売っているご婦人が多くいたのです。野菜や果物、衣類から鍋釜までです。リヤカーで焼き芋や、餃子などを焼いて売ってる人も多くいました。帰国する少し前から、その代金の支払いが、スマホで決済され始めていました。それで、スリが、その機会を失ってしまったのだそうです。
私たちの国でも、かつては、粗悪品の輸出で、信用を落としてしまったことがありました。ちゅうしょうのこうじょうでは、どさくさの時代の中で、監督や規制が厳しくなかったので、缶詰に全く違ったものを詰めて、輸出していた話を聞きました。[安かろう悪かろう]の日本製品でした。
今でこそ高品質で、絶対的な信用や評価を、日本製品は受けていますが、かつては、偽りと誤魔化しが横行していて、粗悪品のレッテルを付けられていたのです。
今のように、日本人の民度の高さは折り紙付きになって誇れるのですが、それ以前に、粗悪品や誤魔化し物を売って、顰蹙(ひんしゅく)を買っていた時代があったことも忘れてはいけないのです。その汚点を拭うためには、大変な時間と努力が払われてきたのです。偽物には気を付けなければなりません。
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実は、聖書にも、「ニセモノ」が登場しています。
『しかし、イスラエルの中には、にせ預言者も出ました。同じように、あなたがたの中にも、にせ教師が現れるようになります。彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。(新改訳聖書 2ペテロ2章1節)』
イスラエルには偽者がいたのですが、教会にも「偽教師」がいると言うのです。聖書にないことを言ったりする説教者に、耳を傾けてはいけません。人道に反することを言う者から聞いてはいけません。歴史の事実を改竄(かいざん)している者も認めてはなりません。たくさんの偽教師が、もっともらしいことを言って、惑わすからです。偽りを察知するアンテナを高く張って、判別しましょう。信頼できる聖書教師に、聞いてみてください。
『御霊を消してはなりません。 預言をないがしろにしてはいけません。 しかし、すべてのことを見分けて、ほんとうに良いものを堅く守りなさい。 悪はどんな悪でも避けなさい。:平和の神ご自身が、あなたがたを全く聖なるものとしてくださいますように。主イエス・キリストの来臨のとき、責められるところのないように、あなたがたの霊、たましい、からだが完全に守られますように。(1テサロニケ5章19-23節)』
聖書、イエス・キリストを否定する者や、出版物に、耳を傾けずに、聖霊の導きに従い、このお方に聞きましょう。真理を解き明かして下さるからです。本物の聖書教師から学んだこと、語られたことに聞くなら、騙されたりはしないからです。注意、注意の時代なのでしょう。
(Christian clip artsのイラスト、14世紀の聖書です)
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