今年の大陸の秋は、例年のように、朝晩は涼しく、晴れの日中は、夏のような日を見せております。酷暑の夏の名残でしょうか、日本では、十月になっても「真夏日」があったほどに、日本列島が涼しくならないそうです。秋の楽しみの一つは、「春眠暁を覚えず・・・」と同じように、夏の寝不足を補うかのような「秋眠」で、熟睡できることなのです。こちらでは「睡得好(スイダハオ)」」、「眠れて得をした様で好かった(?!)」で、寝覚めが爽快になってきました。ところが、日本では、なかなか熟睡できないのだと聞きました。夏の高温の余韻を体が感じたままなのでしょうか。暑すぎた夏、それも、いまだに暑いということは、「ストレス」ではないでしょうか。
汗かきの私ですが、こんなに大汗をかいた夏は、今までありませんでした。寝ていても、一晩に二度ほど寝間着を着替えるほどでした。蚊帳の中で寝ていますので、空気の動きがよくないのでしょうか。扇風機もあるのですが、空調も含めて好きではないので、就寝時には使わないのです。今夏も、いつもの夏と同じように寝ていたのですが、夏の睡眠が足りなかったことは確かです。家内は、中国のみなさんがされるように昼寝をするのですが、私は、滅多にしません。どうも、「半時間ほどの昼寝」が最適だと言われているようです。
国会議員が議場で、「居眠り」をしているのを盗撮されて、物議を醸したことがありましたが、私はしたことがありません。学校の授業中とか退屈な講演を聞いてもです。この「居眠り」は、日本人特有の睡眠習慣なのだそうです。しかし、ここ中国の店頭では、よく居眠りをしてる店主や店員さんがいます。決して「昼寝」ではないので、似ているかなと思っています。欧米人には、この日本人の「居眠り」は珍しいのだそうです。どうも、文献で調べた人の話ですと、平安時代には、すでにあったのだそうです。身分の高い人から庶民、仏僧まで、「居眠り」をしていたようです。
もう一つ、「狸寝入り」というのがあります。眠ったふりをして敵を撹乱する、あの狸の習性からきているのだそうですが、事実でしょうか。そういえば、父が、よく狸寝入りをしていたようです。いびきをかいて寝てるからと、親父の悪口を言っていると、それを聞いていたらしいのです。こっぴどく怒られたことがありました。母が、「お父さんのは、狸寝入りなんだから!」とよく言っていましたが。今日も日中は暑かったのです。それなのに、熱い麺を、「小吃店(間口が一間ほどの食堂のことです)」で、大汗をかきながら食べてしまいました。晴れれば、まだまだ暑い華南の街であります。
(写真は、秋の味覚の「柿」です)