喜ぶ者と共に

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昨晩、若い友人夫妻が経営するパン会社の「周年慶」が、繁華街にある<第一号店>で催され、お祝いの植木鉢を手に、家内と二人で、公共バスに乗って出かけました。7時からセレモニーが開催され、店内にはラッシュアワーの山手線を思わせるような招待を受けた人々で溢れていました。それほどの数の顧客を持っていることに、七年間の実績を感じさせられたのです。

カナダから最高級の小麦粉を輸入し、それを日本製の製パン機、日本の製パン法で焼き上げた、パンとケーキとクッキー、中秋節には<月餅>を販売してきています。市内に四店舗あり、今年の暮にはもう一店、建設中のモールに開店予定だそうです。また、大手のスーパーにも販売コーナーをもうけたり、有名ホテルにも納品しているそうです。最近では、ケーキの<通販>も始めておられ、経営も順調のようです。社長夫人の弟さんは、製パンの機材や材料の会社を任されていて、同席されていました。

他のパン屋と比べると、格段の価格の高さがありますが、『美味しい!』ので、大人気を得ているようです。一昨日も、頂いて冷凍庫にあったケーキを、四人のお客さんにお出ししましたら、『おいしい!』と大喜びで食べておいででした。

どうしてこんなに、この企業を絶賛するのかと言いますと、美味しいパンやケーキを頂くだけでなく、私の帰国中、一人残った家内を、この社長夫妻が、家に招いてくれて一週間もお世話してくれたり、私たちに好くしてくれるからなのです。夫妻の中学生の息子さんは、アメリカに留学されていて、下の小学一年のお嬢さんは、<おにぎり>が大好きで、この夏休みは、これを食べに日本の福岡の親戚の方の家に行く予定でいるのだそうです。

この七年間のことを、若干声が高い調子で、30分ほど社長さんが話されていました。ご自分自身、パンが大好きで始めた事業ですから、ここまでの成功を顧みて、感慨も一入(ひとしお)だったのでしょうか、熱を帯びて語っておいででした。この方は、親に捨てられた障害のある子どもたちのために、余ったパンやケーキではなく、製品を寄贈し続けてきているのです。最近では、その子どもたちの誕生日を調べて、<バースデイ・ケーキ>を届けているそうです。

こう言った黙々としてなされている<社会貢献>が、この企業の祝福の理由なのではないでしょうか。私の長男の友人で、月島でケーキの製造卸をされておられる方がいて、『彼と東京で出会ってから、とても助けられています!』と、日本贔屓の社長夫妻が感謝されておられました。家内の奥様会仲間のご婦人方も出席し、引き出物を頂いて帰宅しました。喜ぶ者と共に喜べた真夏の宵でした。

(写真は、家内が頂いた「母の日ケーキ」です)