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こちらに来てから、一昨年までの7年間、毎年、50〜70人ほどの学生の「作文」の科目を担当しました。作文の仕方を教え、自分の習得した語彙を使って、毎週毎週、様々な資料を作り、それに沿って作文してもらいました。その書き上げた「作文」を家に持ち帰って、”赤ペン“で添削し、翌週、学生に手元に返しました。「修正点」を板書して、どう正すかの作業をしてもらいました。
ある時、「三行ラブレター」を書いてもらったことがあります。ご両親、祖父母、教師などに、愛と感謝を込めての短い作文でした。結構、泣ける様な文章を書く学生もいて、感激しながら読んだり添削したりする楽しみもありました。学生数が70数人の年は、大変でしたが、週毎に、作文の腕を上げて行くのを知る喜びもありました。
先日、ある少女の書いた「作文」を読みました。学齢前の、五歳の少女にしては、素晴らしい文章でした。ただ、それは《謝罪文》であり、《誓約文》でした。『どうして、こんな事を、父親は書かせたのだろうか?』と思う事しきりでした。そして多くの読者が、読まれて悲しくなり、涙したことでしょう。
「 ママ もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんからきょうよりかもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします
ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします。」
大学ノートに、“ひらがな“で書かれてあったそうです。お母さんの連れ子の少女を、お母さんの新しい主人は愛せなかったのでしょうか。その感情が歪曲してしまい、長期の虐待で、とうとう亡くなってしまったのです。こう言った事件が頻発する日本の社会は、異常です。
先日、カルガモの一行の移動の様子を映した動画を見ました。九匹の雛を、母ガモが見守る姿に、《母性愛》が溢れていました。少なくとも、カルガモの母以上のお母さんが、あの少女をかばえなかったのは致命的です。虐待を続ける夫に、嘆願や哀願だってできたはずです。愛が異常です。世界中のお母さん、カルガモに倣って、子どもを守り、かばってください!結婚と家庭が深く傷ついているからです。
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