夫婦

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『昨年の年末に、大喧嘩をしてしまったんです!』と言うご夫婦がいます。それまで、そんなに本気で、夫婦で衝突したことがなかったのですけど、本気で思っていることを、感情に任せてぶっつけ合ったそうです。小学校三年生の息子さんmがいるのですから、10年以上の結婚生活を共にしてきて、正直に気持ちを込めて言い合ってから、夫婦の関係が強くなり、吹っ切れたそうです。

それ以来、ご主人と共に過ごすことが多くなり、よく、”カード遊び“に出掛けていたご主人が、家にいるようになったようです。おっとりしているご主人に対して、"やり手"の奥さんは物足りなさを感じていたのかも知れません。ご主人への期待が大き過ぎたのでしょう。それ以降、そう行った気持ちが少なくなってきているようです。

吉野弘に、「祝婚歌」と言う詩があります。夫婦のあり方への勧めとして有名です。

二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい
完璧をめざなないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい

改めて、この詩を読みますと、『そうだよなあー!』と思ってしまいます。お互いに肩や肘を張らないで、期待過剰、また関心希薄にならない関係を保つことの勧めでしょうか。この奥さんは、『夫への愛が強くなったのです!』と言うのです。自分の思うような夫になって欲しいのが、夫にふさわしい妻になろうとしたからでしょうか。円満円満。

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