初冬の雨が、しとしと降っている、11月の週日の朝です。電動自転車の後ろに孫を乗せたおじいちゃんが、眼下のバス通りを左の方には走って行きます。マントをかぶって、雨を防いでいるのです。小学校に向かって、何台も何台も列を作っている、平日の毎朝の光景です。
孫の送り迎えを、おじいちゃんが主にし、両親は、勤めに出ている、これは中国の一般的な家族のシフトなのです。11時半前後になると、今度は、逆の右方向に、迎えに行ったおじいちゃんの運転する電動自転車が戻って来ます。おばあちゃんが作る昼ごはんを、孫に食べさせるためです。
さらに一時半過ぎになると、また小学校に孫を送り、五時前後に、下校する孫を乗せたおじいちゃんの電動自動車が帰って来ます。日に家と学校を四往復するのですから、意外と大変なことのようです。これが<祖父母の生き甲斐>、老後の過ごし方のパターンなのでしょう。全中国の22の省、5つの自治区、4つの特別市で繰り広げられている生活の一端なのです(この町は、特に電動自転車の普及率が高いそうです)。
もちろん、徒歩や自転車、今では自家用車も使われているようです。ですから、小学校の周辺の道路は、大混雑です。朝晩は、渋滞しているのを見かけますが、みなさんは、上手に泳ぐように歩き、自転車や電動自転車や車を駆っているのです。『次代を担う子供のためだ!』と、渋滞に巻き込まれた車、運転手さんも、黙って耐えているのです。
こちらでよく見かけるのは、おじいちゃんやおばあちゃんが、孫の通学用リュックサックを担いであげている様子です。足腰の弱くなったおじいちゃんやおばあちゃんが、そうしている様子を見て、『そこまでして上げなくても・・・・』と、ちょっと私の思いは複雑です。バスの中には、『ご老人を労りましょう!』と標語が貼られているからです。