願い

 

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<240万人>、この数字を聞かれて、何の人数だと思うでしょうか。『新潟県の県民人口ですか?』、はい、そうでもありますが、実は「囚人」の数なのです。アメリカ合衆国の全州(総人口3億2千万人)の刑務所に収容されている受刑者の数です。こんなにいるのですね。1972年には30万人でしたから、今では8倍になっています。ちなみに日本では、65000人(総人口1億3千万人)とのこと、減る傾向にありますが、アメリカは逆に増え続けています。

世界で最も富んでいる国で、<アメリカン・ドリーム>を叶えさせてくれる、夢に満ちている国が、こういった<犯罪>を頻発させているのです。つまり<社会病理>が巣ぐっているというわけです。理想の国を求めて、イギリスの港を出港した開拓者が、作ろうとした国とは、真反対な一面を見せてしまっていることになります。

中学の歴史で、新大陸に向けて出港した「メイフラワー号」のことを学びました。66日の船旅の後、1620年11月21日に、100人ほどの人が上陸しているのです。この最初の人たちが、その信念と理想に萌えて作り上げた国です。もちろん先住民のインディアンたちの国でしたが、現在では、多くの移民たちの国でもあります。しかし建国の父たちの夢をつないで生きている者たちの国だと言えます。

私たちの国からも、多くの人々が、太平洋を渡って行きました。後に米州に併合されるハワイばかりではなく、大陸の西海岸に農業移民をしています。以前、オレゴン州に行きました時に、太平洋の海岸線の街に、嫁いだ次女の夫(婿)の両親の別荘があり、そこに泊めて頂いたことがありました。敷地から海岸線に出ることができたのです。夏でしたが、海水は氷のように冷たく、泳ぐことなどできないほどでした。西に目を向けた遥るか彼方に日本があるわけです。きっと、移民たちは、私と同じように海岸線に立って、日本に望郷の思いを馳せたのだろうと、思ってみたりしたのです。

今、二人の外孫が、この国で成長しています。先日、永久歯に生え替わるために、乳歯を抜いたのだそうです。「ワシントン伝」なども読んでいるそうで、建国の父たちの思いも知り、アメリカ国民、世界市民となるために学んでいるのです。孫たちが学び、生活している、この国が、夢や理想を取り戻し、その使命を果たせるようにと、願っている週末であります。

(写真は”wm”による「オレゴン・コースト」です)