やっぱり秋はいいな

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 真っ青の秋の空を見上げながら、大平山の山歩きをしました。ある時、『イノシシが出ます!』と言われてから、ザックの中に〈鉈(なた)〉を入れて歩いていているのです。出会ったら、対決しようと思っていますが、きっと逃げるのかも知れません。でも「猪突猛進(ちょとつもうしん)」で逃げきれないのでしょう。昔の人は、「イノシシ鍋」にして食べたのだそうです。

 まあ出会わないように願っているのです。十人ぐらいのみなさんと行き合ったでしょうか。同世代の男性に、走って上がっていきながら、『こんちわ!』と挨拶されました。こちらは、はあはあしながら登山用杖をついているのに、『すごいなあ!』と思いながら背中を眺めていました。

 雨降りの量が多かったのか、道の法面(のりめん)から、土が流れ落ちた跡が、何箇所も見られました。降りて来て、カインズのコーヒーコーナーで飲んだ《100円コーヒー》が、実に美味しかったのです。紙コップでなければ、もっと美味しかったかも知れません。

 両毛線の踏切を渡ると、一面に広がる田圃の稲刈りの様子を眺めたり、刈り跡の田の土を眺めながら、昔は、釜で刈り取りをしていたのに、今は、どこでも中型の刈り取り機でしています。蘖(ひこばえ)が見える、借り株の田もありました。

 この散歩コースが、一番、距離が長いのです。やはり、たけなわの秋を感じての散歩、『秋はいいな!』で、柿の実も真っ赤に熟し、銀杏もくるみも落ちて、もう秋もたけなわで、夕食にいただいた〈キノコご飯〉が美味しかったのです。ギンナンも入っていました。

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