金木犀の花のかおる朝に

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 『恵みとまこととは、互いに出会い、義と平和とは、互いに口づけしています。(詩篇8510節)』

 いつの時代でも、どこの国でも、自分の子や孫に、召集者は「赤紙(陸軍省が送付した召集令状の俗称です)」を送りたくないのです。昔、「一銭五厘(明治32年の葉書代で昭和12年からは二銭でした)」だったそうです。わたしの叔父は、これで南方に遣わされ、戦死しています。わたしの友人たちのお父さんも、行って帰らず仕舞いでした。帰らない可能性があるなら、自分の子や孫には、情が動いて出せなかったのでしょう。でも余所の子には、代わって行ってもらっても平気だったのだそうです。

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 そんな身勝手さや抜け道が罷り通ってしまった時代でした。今だって、これからだって、応召を促す「赤紙」を、彼らは理由をつけてもつけなくても、自分の子や孫には出しません。そんなことをして疚(やま)しくなかったのでしょうか。余所の子や孫は、行って当然なのです。

 ロシアでは、おおがかりな「予備役招集」が、有無を言わせずに行われ、ウクライナに派兵しようとしています。無謀な戦争を回避するのが政治の責任を負った者であるのに、そうできない狂気に驚かされます。いったん転がり出すと、歯止めが効かないことが問題のようです。

 平和教育を受けた私たちの世代は、それを希求して、二十世紀の後半から生きて来ました。あの悲惨な悪夢から覚めたと思った国々が、過去に舞い戻るのは残念で仕方がありません。わたしたちの国でもあるのでしょうか。それでも、『地に平和があるように!』と祈る、金木犀の匂いの漂う朝です。

 今日は、10月1日、中国では「国慶節」、「春節」につぐ、国民総移動の祭日です。その前日、ここ栃木市では、『ドスン!』と地が揺れて、震度4の地震がありました。elevator が緊急停止していましたが、今朝は動いています。

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