同時代人の昭和(土門拳の写真を中心に)

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 敗戦後の路頭でタバコを吸ってる子たちは、自分よりもちょっと歳上の先輩たちですが、たくましく感じられるのですが。この先輩たちは、どう生きていったのかなと思ってしまいます。何もなかった頃、工夫しながら、みんなが遊んでいましたし、家の手伝いをしていたのです。

 ベーコマを回したり、メンコ遊びをし、紙芝居を見て、集団で遊んでいた時代です。取っ組み合いの喧嘩をしたり、肩を組んで歩いたり、みんな下駄履きだったのです。

 女の子たちは、ゴム跳びをしたり、石蹴りをしていたでしょうか。男の子の遊んでいるそばで、女の子なりに遊んでいたでしょうか。まさに「走馬灯」のように、あの頃の光景が思い出されてきます。

 nostalgie 、追憶の世界は、白黒灰の世界だったのです。みんなが貧しく、大人も子どもも懸命に生きていた時代です。物の豊かさは、必ずしも、幸せとは繋がらない時代でもあって、隣の家との心理的な距離が近かったようです。

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