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“ stress coping “ (ストレスコーピング)」と言うことばを、最近耳にしました。”coping “ は、英語で「対処する・処理する」という意味がありますので、圧迫感や緊張感を覚えることで、今や、一億総ストレスの時代で、ほっとできないような圧力がかかっているのでしょう。それで、どう処理するかが騒がれているのです。
米の価格上昇のニュースが持ちきりで、聞かない日はありません。田植えのシーズンになって、東武宇都宮線の沿線の田んぼでは、田植えが行われている季節の到来です。昨秋に蒔いたビール麦が、黄金色になっているのと、隣りの田んぼの苗の青さが対照的です。ビール畑も刈り取りがすすんで終わると、今度はそこが耕されて田んぼになり、稲が植えられていきます。
悪代官が、米の問屋と結託して、米相場を捜査して、賂(わいろ)を得ていた時代があって、米騒動が、江戸期には起こったのでしょうか。令和の世になっても、誰かが、何かの団体が、米を止め置いて、価格操作をして、江戸期以来の儲けを画策しているのでしょう。
農水産省の大臣が更迭されて、新しく就任した大臣が、対策を講じていますが、功を奏することができるのでしょうか。誰でしたか、『米なんか買ったことがなく、いつももらっている!』と、庶民感覚を逆撫でするようなことを言っていました。そう言った立場の人もいるのだと思わされたのです。
わが家にも、続けて何人かの人が、お米を持って来てくれて、買わないでいた時期がありました。華南の街に住んでいた時期にも、よく10kgの米袋を、電動自転車に乗せて、持って来てくれた姉妹がいました。ケーキとパンを製造して、5店舗ほどを出店して、大きく事業をしていた方の工場があり、そこで働いておいででした
そこで、毎週「聖書研究会」があって、お話しをしていた時に、出席していたご夫妻からでした。他の省の農村から出稼ぎで来ていた方たちで、子どもさんたちを、おじいちゃんとおばあちゃんとに預けて、給料を送金していたのです。急遽帰国しましたので、このご夫婦に、感謝をしないままだったのを思い出している今なのです。
そんなお米にまつわる思い出が、私たちにもありますが、1カップのお米を二人で食べる今は、お米の高騰のストレスは感じていませんが、それでも子育て中の家庭は、パン食が増えたとしても、大変なストレスがあることでしょう。
あれよあれよの瞬く間の米価格の吊り上げがあって、全ての物価に影響があって、悪循環なのです。国連の「幸福度調査」の調査結果も、我が国は毎回、幸福享受からかけ離れていっています。高収入、高度医療などの恩恵、文化的な生活をしていながらも、幸福でないのは、何なのでしょうか。
持ち物の豊かさ、生活の便利さ、溢れるような娯楽や行楽の機会に預かりながら、心が満たされないでいるのは、何なのでしょうか。聖書は、次のように言っています。
『さて、兄弟たち。私たちは、マケドニヤの諸教会に与えられた神の恵みを、あなたがたに知らせようと思います。 苦しみゆえの激しい試練の中にあっても、彼らの満ちあふれる喜びは、その極度の貧しさにもかかわらず、あふれ出て、その惜しみなく施す富となったのです。(新改訳聖書 2コリント9章1-2節)』
激しい試練、極度の貧しさの中で、「満ちあふれる喜び」を、マケドニアの諸教会のクリスチャンたちは持っていたというのです。しかも、その喜びは、あふれ出ていました。彼らよりも貧しさに喘ぐ人たちに、そんな環境にありながら、「施し」をしていたからです。そう言った生き方が、2000年も前に行われていたのです。
そういう生き方こそは、喜び、幸福を観たらせたのです。それに比べて、私たちの国では、不安や、言い知れない恐れが蔓延しているのでしょうか。
今年の国連の「幸福度調査」によりますと、日本は、世界で58位、去年の54位から、さらに後退しています。156の国と地域で各3000人を対象に、幸福度調査が行われています。「1人当たりの国内総生産(GDP)」、「健康寿命」、「社会的支援の充実」、「自由度」、「腐敗度」、「寛容さ」の6項目から分析されている調査なのです。
その順位を見てみますと、トップはフィンランドで、デンマーク、ノルウェー、アイスランドと北欧諸国が続いています。日本は過去最低の58位で、[健康寿命]は2位、[GDP]は24位と上位だったものの、[自由度]は64位、[寛容さ]は92位でした。それに比べて、貧しくても、「施す富」にあふれていたマケドニヤの諸教会のあり方には驚かされます。
心の貧しさこそが、幸福度の低さなのでしょうか。一億総貧乏だった80年前には、貧しさでも考えるのではなく、まず励んで生きていた父や母の時代の生き方に、やり直そうとした強烈な意志がありました。破れたズボンに針を通して繕っていた母を、懐かしく思い出します。貧しさに負けなかった時代の一つの生き方です。もしかすると、感謝の足りなさが、幸福度を低くしているのかも知れません。
(ウイキペディアの「田植え」、「棚田」、「国連本部」です)
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