オオコワ!

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 『そんなことしちゃあダメでしょう!』と、子どの頃に悪さをすると叱ってくれる大人が近所にいました。学校で悪戯をすると、『準、後に(廊下に、校長室に)立ってろ!』言われ、街中をフラフラして、タバコを吸っていたら、警邏してるお巡り(さん)が、『君何してるんだ、幾つだ?しっかりしなさい!』と注意されました。

 中学生の頃、『あのオオ○○のヤツ、最近、いい気になってるじゃねえか!』と、体育教官室の前を歩きながら、仲のいい級友に言っていたら、それを、どうも教官室で聞かれてしまい、授業が始まってすぐに、真っ赤な顔をしていたので、殴られると思いましたら、『準、前に出てこい!文句があるなら、バスケで対マンをしよう!』と言われたのです。中年の先生と現役の自分でしたので結果は、こちらの勝ちでした。後はサッパリでした。

 就職して、職員室でネクタイを外して、胸ポケットに入れていたら、『ヒロタくん、ネクタイをきちんと着けていなさい!』と、主事に注意されました。親父にはゲンコツ、母親にも注意されました。また、ついこの間まで、『あんな言い方したら、傷ついてしまうから、気を付けてねっ!』などと、時々娘たちに言われていました。

 もうこれ以上言いません、叱ったり、注意したり、ダメと言って、矯正してくれる人が、私にはいつでもいてくれたのです。今も、“ No と言ってくれる家内が、そばにいてくれます。それで、踏み外さずに今日まで、どうにか生きてこれたのでしょうか。

 私は、叱られたり、叩かれた時、自分が悪かったので、「苦々しい思い」を持つことなく、『当然!』だと思って、恨みを後に引いてしまうようなことはなく、まあサッパリとしておれました。だから少年院にも刑務所にも収容所にも行かずに、巴波の流れのほとりに住んで、今の時を生きていられて、『幸せだなあ!』の今朝なのです。もし軌道修正や方向転換できなくて、突っ走って軌道を外れて自滅する機関車になってしまったていたら、『オオコワ!』です。黙認のYes man ばかりでなかったのは幸いでした。

("イラストAC"のバスケットボール選手です)

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