如月

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 作詞が相馬御風、作曲が廣田龍太郎の「春よこい」があります。

春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている

春よ来い 早く来い
おうちのまえの 桃の木の
つぼみもみんな ふくらんで
はよ咲きたいと 待っている

 今日から二月、旧暦だと「如月(きさらぎ)」と言います。この月名は、まだまだ寒さが厳しい時季ですので、上着や下着をもう一、二枚と重ね着したいと、どなたも思うのでしょう。それで「衣更着(きさらぎ)」になったのだそうです。お隣の中国でも、「如月ruyue」と言ってきていますが、通常は「二月eryue」なのですが、月の呼び名も、大陸との関係があるわけです。

 寒い冬が終わり、春に向かって万物が動き始める時期という意味があります。つまり、同じ漢字を使っているものの、「きさらぎ」と「にょげつ」で表している意味は違っているということになります。

 英語ですと February と言います。Februaryは、ローマ神話の月と贖罪の神「フェブルウス(Februus)」が由来なのです。『古代ローマでは、戦争で亡くなった戦士の霊を弔うために、毎年2月に慰霊と浄化のお祭りである” Februa”を行っていました。フェブルウスはこのお祭りの主神とも見られ、お祭りの名称もフェブルウスから取られています・・・』(Kiminiブログから)

 私たちの家のベランダから、西に「大平山」がみえるのですが、山肌が、枯葉色から盛り上がるような薄ピンクのような感じがしてきているのです。実際に先週、この山に行ったのですが、芽がふくらんでいるのが確認できたのです。春到来の準備万端が整っているのでしょう。

 この歌に出てくる「みーちゃん」は、作詞者の御風のお嬢さんだそうで、1921年(大正10年)に生まれているとのことで、母より三歳年下だったのですから、想像がふくらんでしまいます。雪深い新潟県糸魚川生まれですから、なおのこと、春を待って、外を「じょじょ」を履いて歩きたい思いが強かったに違いありません。

 この歳になっても、春の到来は、コロナ終息の願いと共に、どなたの思いの中でも強いのでしょう。わが家のベランダでは、ペチュニア、ラベンダー、ガーベラ、カランコエ、金魚草の花が、今朝など零下4℃の寒さを耐えて咲いています。

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