星の王子さま

 

 

“Le Petit Prince”、これはフランス語でして、その翻訳は、「星の王子さま」の書名です。有名な作品で、日本でも多くの読者を持っています。フランス人の飛行士・小説家である、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの著した小説です。

1943年に出版されています。その小説の内容は、サハラ砂漠に不時着した飛行機の操縦士が、砂漠で一人の男の子に出会います。その男の子が、「星の王子さま」だったのです。王子さまは操縦士に、自分が生まれた星のことや、色々な星を旅したときの話をします。二人は8日間一緒に過ごして、絆を深めていくのです。

私が、第二外国語に、「フランス語」を選択した時、その教科書が、この“Le Petit Prince”でした。ところが、“Je vous aime.(親密な人には“Je t’aime.“)、”bonjour.“しか覚えていないのです。50年以上経ってしまい、一度もフランス人の恋人や友人を持ったことがありませんので、使う機会が全くなかったわけです。

皇后の雅子さまは、このフランス語と英語に堪能だとお聞きして、素晴らしいなと思ったのです。雅子さまは、外務省の外交官のお仕事をしておられて、将来、女性で初めての「外務事務次官」になられる様に期待されておいでだったそうです。でも結婚を選ばれて、皇族となられたわけです。

国際間の平和を構築していくために、外交努力が必要とされています。この分野で、ご活躍されるのを、心から期待し、そのためにお用いになられる様にと、北関東の地から願っているところです。

「一番大切なものは目に見えない(L’essentiel est invisible pour les yeux.)」

この小説で、この言葉が一番印象深く、王子さまが星に帰る時に、主人公の「僕」に伝えた言葉です。多くの大人が、《子どもの心》を失ってしまっていることに、警告を与える意味で、語っているのです。その「星の王子さま」と「僕(狐)」やりとりは、次の様です(日本語訳)。

「さようなら」王子さまは言った・・・
「さようなら」キツネが言った。
「じゃあ秘密を教えるよ。
とてもかんたんなことだ。
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
忘れないでいるために、王子さまは繰り返した。
「きみのバラをかけがいのないものにしたのは、きみが、バラにために費やしたじかんだったんだ。
「ぼくが、バラのために費やした時間・・・」
忘れないでいるために、王子さまはくり返した。
「人間たちは、こういう真理を忘れてしまった」キツネは言った。
「でも、きみは忘れちゃいけない。
きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。
きみは、きみのバラに、責任がある・・・」
「ぼくは、ぼくのバラに、責任がある・・・」
忘れないでいるために、王子さまはくり返した。

《子どもの心》を持ち続けることや、《真理を忘れないこと》などは、この時代に生きる私たちにとって、とても大切なことなのでしょう。

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