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 [NPO法人 自殺対策支援センター「ライフリンク」]、これは、新型コロナ禍による自殺者の急増で、厚生労働省が立て上げた、電話による相談機関です。2020年度の自殺者が、コロナ禍が原因で、11年ぶりに急増したのを受け、24時間、200人の相談員体制を目指しているそうです。

 昨日の “ Reuters “ の記事を紹介します。

 「厚生労働省の2021年版自殺対策白書の概要が9月28日、判明した。新型コロナウイルス感染拡大が起きた20年の自殺の状況を過去5年平均(15~19年)と比較、分析した結果、増加が顕著だった女性の自殺の中で「被雇用者・勤め人」が381人増と大幅に増え、原因・動機では「勤務問題」が最も大きく増加したことが分かった。

 20年の自殺者数は2万1081人(前年比912人増)。男性は11年連続で減少したが、女性は2年ぶりに増加した。

 「勤務問題」の内訳について過去5年平均との比較で増加数が多かったのは「職場の人間関係」(39人増)だった。(「共同通信」9月28日午後9時記事)」

 ずいぶん時間が経ちましたが、水曜日の夜、「聖書研究会」していた時に、一人の若い女性が、教会に入って来られたのです。お聞きすると、教会の明かりが見えたので入ってきたそうです。この方は、自殺を考えていて、彷徨い歩いていて、そこにたどり着いたのだそうです。

 礼拝に見えるようになり、信仰を持たれ、バプテスマを受けて、教会のメンバーになられました。わが家で、数年、一緒に生活をしてから、愛知県のご両親の元に帰って行かれました。家内がよくお世話をしていていて、市内の他の教会の幼稚園でお手伝いを喜んでしていました。

 私たちの身の回りには、そう言った自殺したいと誘惑されていた方が、これまで何人かいました。今もまた、そう願う方が大勢いらっしゃるのです。

 この方と生活を共にした頃は、まだ子どもたちが小学生でした。お姉さんのように、子どもたちが慕っていました。帰郷されてから、長女は電車に乗って、一人でお会いしに行ったこともありました。その時の彼女の事情をうすすす気づいていたのでしょう、長男は、今、この「ライフリンク」の相談員をさせていただいています。 

 以前、次の記事を読んだことがありました。 

 『もし、目の前で見知らぬ人が自殺しようとしていたら・・・あなたは、どうしますか。自殺しようと線路に立ち入った男性を助けた、心優しい駅員がカナダにいました。自殺しようと線路に立ち入った男性に、駅員は・・・』

 カナダのメディア『TRONT SUN』は、このように報道しています。2017年4月26日の朝、カナダのトロント市営地下鉄のダンダス駅から、1本の緊急連絡が発信されました。

 「今すぐ、この駅に向かっている列車を止めてください」

 なんと、線路に1人の乗客が立ち入ってしまったのです。彼はまったく動こうとせず、列車が来るのを待っているようでした。きっとホームにいた人は、こう思ったことでしょう。「自殺しようとしているのでは」・・・と。

 線路にいる男性の姿を見てハッとした、駅員のアダードさん。彼は、男性に近寄るとこういいました。

 「今日、何か嫌なことがあった?」

 アダードさんの目に入ったのは、男性の腕についている『患者認識用リストバンド』。「もしかすると、彼は病院で何かあったのかもしれない」と思ったのです。

 「はい」

といった男性に、アダードさんがとった行動は・・・。ホームの端に腰を下ろし、男性を優しく抱きしめたのです。深呼吸をするように声をかけ、男性が落ち着いてきたのを見ると、アダートさんはこういいました。

 「『私は強い』はい、いってみて」

 アダードさんの言葉を聞き、震える声で

 「私は強い(I am strong.)」

と繰り返す男性。続いて、アダードさんはホームにいる他の乗客に

 「君たちも一緒にいってみて」

とうながします。

 「『私は、強い』!『私は、強い』!」

 上り線の乗客も、下り線の乗客も、男性を励ますかのように声を合わせます。先ほどまで凍り付いていたのが嘘のように、ホームは温かい空気で包まれました。男性の心を落ち着かせ、優しい言葉をかけたアダードさん。そして、男性に勇気を与えた乗客たち彼らの素晴らしい行動に、心から拍手を送ります。[文・構成/grape編集部]