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小学校の音楽の時間が好きでした。今思うと、各学年にふさわしい歌詞で、優しいメロディーの曲を、担任の先生のオルガンに合わせて、小学生の私は、懸命になって歌ったのです。いたずらっ子が、この授業では目の色を変えて歌うのを見て、担任は、どんな思いだったのでしょうか。
「紅葉(もみじ)」、高野辰之に作詞、岡野貞一の作曲で、1911年、父誕生の翌年に、「小学尋常唱歌」となって以来、私たち日本の小学校二年生は歌い継いできたのです。岡野貞一は、私が奉職した学校の校歌を作曲しています。「春の小川」、「故郷、「おぼろ月夜」などに作曲で見知られ、教会の礼拝賛美のオルガン演奏をしたクリスチャンでした。
秋の夕日に照る山もみじ
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの裾模樣(すそもよう)
溪(たに)の流に散り浮くもみじ
波にゆられて はなれて寄って
赤や黄色の色さまざまに
水の上にも織る錦(にしき)
この写真は、孫がとって、送信してくれた、アメリカ西海岸の街で、秋の夕暮れの夕焼けの様子です。彼は、長野県飯田市で生まれていて、アメリカの west coast は生まれ故郷ではないのですが、父親も祖父母も生まれ育った地ですから、思い入れが大きくあるのでしょう。
『目を高く上げて、だれがこれらを創造したかを見よ。この方は、その万象を数えて呼び出し、一つ一つ、その名をもって、呼ばれる。この方は精力に満ち、その力は強い。一つももれるものはない。(イザヤ40章26節)』
世界は、創造者の手によってなっています。その秩序と均衡と美しさは、偶然に発生したものではありません。賢く綿密に計画された所産なのです。その最高傑作は人です。ですから、人は美しい創造の世界への感動を覚え、畏怖を感じるのです。その心が養い育てられるのです。
夕暮れに、ふと家の外に外に出て、スマホを向けて撮ったのでしょう。ババは、『また撮って送ってね!」と言って、目尻を下げています。
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