nostalgia

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 富田薫の作詞、草川信の作曲の「汽車ポッポ」が懐かしく思い出されます。

きしゃきしゃ ぽっぽぽっぽ
しゅっぽしゅっぽ しゅぽっぽ
ぼくらを のせて
しゅっぽしゅっぽ しゅっぽっぽ
スピード スピード まどのそと
はたけも とぶとぶ いえもとぶ
はしれ はしれ はしれ
てっきょうだ てっきょうだ たのしいな

きしゃきしゃ ぽっぽぽっぽ
しゅっぽしゅっぽ しゅぽっぽ
きてきを ならし
しゅっぽしゅっぽ しゅっぽっぽ
ゆかいだ ゆかいだ いいながめ
のはらだ はやしだ ほらやまだ
はしれ はしれ はしれ
トンネルだ トンネルだ うれしいな

きしゃきしゃ ぽっぽぽっぽ
しゅっぽしゅっぽ しゅぽっぽ
けむりを はいて
しゅっぽしゅっぽ しゅっぽっぽ
ゆこうよ ゆこうよ どこまでも
あかるい きぼうが まっている
はしれ はしれ はしれ
がんばって がんばって はしれよ

" nostalgia"、郷愁と訳したらいいのでしょうか。新幹線が世界的になり、リニアも間も無くお目見えする時代になっていますが、地方の鉄道路線で、蒸気機関車が走っています。東武日光線と鬼怒川線の分岐駅の「下今市駅」に、蒸気機関車が煙を吐いて、週末の観光運行の準備をしていました。

 この駅に、駅弁の「大樹」が売られているのです。なんとなく懐かしさを呼び起こしてくれるのですが、帰りしな、それを買おうとしてプアラットホームの「賣店(ばいてん)」に行きましたら、蒸気機関車が走る日に売っていて、平日の昨日はなかったのです。前回、家内が美味しそうに買って食べていたので、今回は、二人前を買って、旅気分を味わおうとしたのですが、ちょっとガッカリでした。

 『次回には、予約してください!』と言われて、電話番号を教えてくれました。売り子さんの方が恐縮して、電車の窓の外から、走りゆく私たちに頭を下げて見送ってくれました。「駅弁」これも、ノスタルジーを呼び起こしてくれるのです。先日は知人が、横川駅の駅弁の釜飯をいただいて、家のテーブルの上で食べたのですが、美味しかったのですが、駅弁は、蒸気機関車の煤や煙の中で食べるのが最高なのです。

 駅弁に、土瓶に入ったお茶、そして氷みかんは、懐かしい昭和の味わいです。けっきょく「笹寿司」を買って、家に持ち帰って、同じテーブルの上で広げたのです。花より団子、汽車より駅弁で美味しかった!

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春花

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 今週訪ねた山里のそこかしこに、鮮やかに咲く「コヒガンザクラ」が咲いていました。野山の芽吹きの前哨の様に、あでやかな桃色の花を見せていました。私たちが泊まった保養所の庭にも、満開前の花が咲き始めていたのです。帰りの東武日光線の駅舎の脇には、「染井吉野」がチラホラと花を開き始めていました。まさに「花は三月弥生」です。

さくら さくら
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににおう
さくら さくら 花ざかり

さくら さくら
やよいの空は 見わたす限り
かすみか雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや 見にゆかん

 明治期に歌い始められた、この「さくら」は、日本人の好きな歌の一つです。何度歌ってきたことでしょうか。華南の街の公交車(gongjiaoche市内バス)に乗っていた時に、この「さくら」ではない、森山直太朗の「さくら」が聞こえてきました。ちょうど今頃の時期でした。

僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を
さくら並木の道の上で 手を振り叫ぶよ
どんなに苦しい時も 君は笑っているから
挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ

霞みゆく景色の中に あの日の唄が聴こえる

さくら さくら 今、咲き誇る
刹那に散りゆく運命と知って
さらば友よ 旅立ちの刻 
変わらないその想いを 今

今なら言えるだろうか 偽りのない言葉
輝ける君の未来を願う 本当の言葉

移りゆく街はまるで 僕らを急かすように

さくら さくら ただ舞い落ちる
いつか生まれ変わる瞬間を信じ
泣くな友よ 今惜別の時 
飾らないあの笑顔で さあ

さくら さくら いざ舞い上がれ
永遠にさんざめく光を浴びて
さらば友よ またこの場所で会おう 
さくら舞い散る道の上で
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 突然、日本語で歌い出す車内のラジオ放送に、驚いて聴き入ってしまいました。反日、抗日の雰囲気の中で、『何と民間は鷹揚な国ではないか!』と思わされました。「北国の春」も、街中を歩いていると聞こえてきていました。歌は、国境や敵対の感情を超えて、歌われ聞かれるのです。
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 下の息子が、自分の家の近くの満開の桜を撮って、送信してくれました。車に乗らなくなってしまい、その上、行動範囲が限られてしまった今だからこそ、名所ではなく、近所で咲く桜花に目を向けられて、それを愛でることができて感謝なのです。昨日は、市役所に連れて行ってくださった若いご婦人が、市内大平の「桜トンネル」に案内してくださいました。咲くもよし、散るもよしのそこかしこです。

(東京の桜と栃木の山里、大平の桜二三題です)

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