この鳥は、広島県呉市の灰ケ峰の上空を飛ぶ、「ハチクマ」です(☞HP「里山を歩こう」)。漢字では「蜂熊」と書きますから、随分こわそうな鷹の一種なのかと思ってしまいます。<サントリーの愛鳥活動>によりますと、
『ハチの巣を襲って幼虫を食べる刺されても平気(?)なタフなタカ、全長57cm(オス)、61cm(メス)、翼開長135cm。タカの仲間。体の大きさはほぼトビと同大で、体色はいろいろですが、背が黒褐色で下面は薄い褐色のものが多いようです。翼下面には黒褐色の横縞があるものが多いと思われますが、顔には小さな羽毛が重なって密に生えていて、蜂の針に対抗できます。アジア大陸東部やインドなどで繁殖し、冬期には南へ渡るものが多い。日本では夏鳥として渡来し、本州と北海道の低山帯の森林で繁殖しています。しかし、渡来が5月になってからだと遅い上に、9月になると秋の渡りが始まるので、繁殖スケジュールに余裕がありません。ヒナに栄養価の高いジバチ類の巣、スズメバチ類の巣を掘りだしてその幼虫を与え、成長スピードを上げているのだろうと考えられています。しかし、ハチの巣が大きくない時期には、親も子もカエルを主に食べています。蜂を喰うクマタカの意でハチクマです。最近の研究で、繁殖期の日本だけでハチの巣を狙っているのではなく、越冬地や渡り途中の東南アジア・台湾などでもハチの巣を狙って食べていることが、解ってきました。』
とあります。この季節に、中国大陸に渡って行くそうで、「渡り鳥」なのです。国境の制約のない鳥や蝶は、自然的本能で、季節に応じて住処を変えていくわけです。ものすごい体力を持っているのと、飛翔のコツをよく心得ていることになります。以前、ヒマラヤの上空を、鶴が飛んで行くという話も聞きましたが、動物が秘めている潜在能力は、すごいのですね。
私たち人間も、自分は気づいていないのですが、ものすごい能力と可能性を秘めているのだそうです。出し惜しみをしたわけではなかったのですが、まあこんなところが自分なのだと納得する、初秋の華南の朝です。
(広島県呉市灰ケ峰の上空を飛ぶ「ハチクマ」です)
.