最近、自粛していることがあります。ちょっと大げさな言い方で、申し訳ないのですが、"チョコレート"を食べるのを気を付けていて、その誘惑と闘っているところです。こちらには国産のものがあるのですが、昔、子どもの頃に、駄菓子屋で売っていた味と同じで、森永や明治のチョコレートの味を知っている者としては、一度だけ食べてから、手を引っ込めてしまうのです。
ところが、欧米系のスーパーマーケットには、有名メーカーのチョコレートが置かれていて、年々、その売り場の面積が広くなり、売られている種類も多くなってきているのです。「国慶節」の休みで、今朝は、バスに乗り継いで、アメリカ系のスーパーマーケットに行ってきました。"Earl Gray"の紅茶を買いにです。やはり、チョコレート人気ででしょうか、驚くほどの種類が、その店の棚に置かれていました。もちろん素通りでした。
日本では、森永製菓が、チョコレートを製造してから、今年で《100年》になるのだそうです。高校野球甲子園大会と同じですね。創業者の森永太一郎は、アメリカのサンフランシスコで、「伊万里焼陶器」の販売を始めたのですが、うまくいきませんでした。それで、お世話になったアメリカ人夫妻の影響で、菓子の製造をしようと、アメリカで修行して、帰国してから、東京赤坂で起業したのが、始まりでした。太一郎は、大変な苦労人だったそうです。
その太一郎が、"ミルクチョコレート"を製造販売したのが、1818年10月1日でした。今でも、このミルクチョコレートは、日本人の味覚に一番ぴったりで、スイス製もオランダ製も、そしてアメリカ製もみんな美味しいのですが、結局、『食べたいなー!』と思うのは、この"ミルクチョコレート"なのです。甘過ぎず、苦過ぎずに、ぴったりの微妙な味に作り上げられているのです。"チョコレート"と言えば、作詞が藤浦洸、作曲が万城目正の「東京キッド」の歌の歌詞の中で、歌われているのです。
歌も楽しや 東京キッド
いきでおしゃれで ほがらかで
右のポッケにゃ 夢がある
左のポッケにゃ チュウインガム
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マンホール
歌も楽しや 東京キッド
泣くも笑うも のんびりと
金はひとつも なくっても
フランス香水 チョコレート
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マンホール
歌も楽しや 東京キッド
腕も自慢で のど自慢
いつもスイング ジャズの歌
おどるおどりは ジタバーク
空を見たけりゃ ビルの屋根
もぐりたくなりゃ マンホール
この子の右のポケットに、"チョコレート"が入っていると思っていましたが、どうも想像しているだけだった様です。"give me チョコレート世代"の自分としては、アメリカ兵に、そう言ってねだった、ほろ苦くて、恥ずかしい過去があるのです。あの味は忘れてしまいましたが、異国の空の下で、やはり食べたいのは、その"ミルクチョコレート"です。