金農/ KANANO

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「一都一道二府四三県」にある高校の運動部、特に甲子園大会に出場する高校の野球部の出身高校、とくに何度も出場する名門高校は、ほとんどが野球留学の部員なのだそうです。第100回大会の決勝の両校のベンチ入りした、18名の選手の出身校を見ていましたら、大阪桐蔭高校は、大阪府からが5人で、他の13名は、府外の中学の出身でした。それに比べ、秋田県代表の金足農業高校は、全員が秋田県下の中学の出身でした。

この街から、高知県の野球の名門校の明徳義塾高校に留学した若き友人がいました。野球部の推薦ではなく一般の留学生だったのですが。彼の入学式に、保護者の代わりに出席して、高知竜馬空港からレンタカーで学校に着いて、野球場の脇の道を走っていましたら、ほとんど野球全員から、『チワー!」と声が掛かりました。

2018年度の明徳義塾高校野球部の18名中、高知県かの中学出身者は4名、他は県外からの出身でした。あの時の野球部員の多くは、県外者だったのでしょう。もちろん義務教育ではありませんし、出場校の多くが、私立高校なのですから、それで好いのかも知れません。ただ、公立高校の出場が、年々少なくなってきているのが寂しいのです。

決勝まで勝ち上がった、金足農業高校は、県立高校で、しかも農業高校です。斜陽の第一次産業の農業を学ぶのですから、すごいなーと思ったのです。日本の農業人口は、現時点で、180万人を切るのだそうです(因みに1960年代は1000万人もの農業人口があったそうです)。そういう中での今大会での金農高の健闘は、素晴らしく意味があるのだと思われます。

アメリカに行きました時に、オレゴン州、ワシントン州、ロッキー山脈を超えたアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州を車で旅をしました。これらの州は農業が盛んな州で、大規模農業をしていました。メキシコからの労働者と、その道筋のスーパーマーケッチで会いましたので、彼らが主要な農業従事者だったようです。

あの旅行で、アメリカは、広い国土で、農業も、堅実に行う国だということが分かったのです。それに引き換え、日本の農業生産は少なく、他国に農産物を頼らざるを得ない産業構造になっているのです。休耕地が多くあるのですから。それを利用して、農業をしたら楽しいのではないかと思うのです。難しい人間関係に縛られないで、自然派で生きられるのは、けっこう楽しいかも知れません。

この住んでいます街の北の高地が、清里や軽井沢に似ていて、高原野菜や果物の栽培に適している様に感じるのです。家庭菜園しかしたことのない者の印象ですが、大都市を控えて、けっこうやり甲斐がある様に思えるのです。先日訪ねた村では、"火龍果"を栽培していて、頂いて食べたら、とても美味しかったのです。

戦前、1931年に、台湾代表の嘉義農林が、甲子園に出場したことがあり、その学校の活躍が映画化され、観たことがありました。台湾人、山地族、日本人の混成チームでした。金農の若いみなさんは、農業の後継者になられるのでしょうか。ぜひ頑張って、食の自給のために励んで欲しいのです。農業は、国の基幹産業なのですから。

(金足農業高校のある秋田市の市花の「サツキ」です)

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