明け方の5時過ぎです。耳を澄ましていると、道路を走るタイヤの音の間に、別の音声が聞こえて来ます。耳鳴りかと思ったのですが、確かに「虫の音」が、かすかにしてくるではありませんか。赤道直下の街の19階で、秋の訪れを告げる声を聞くとは、ちょっと信じられません!
四季などなく、年中夏のはずなのに、季節の変わり目があるのでしょうか。虫たちは、それほど敏感なのでしょうか。この街に九年も住んで来た娘は、『ここにも微妙な季節の変化があるの!』と言っていたことがあります。昨日、日系の洋装店に入ってみましたら、冬にしか着ない厚手のパーカーが売られていました。『真冬のある国に旅行する人が買うの!』だそうです。
ここシンガポールは、49回目の「建国記念日」を、この週末の9日に迎えるそうです。そのせいで、街中の家の門や玄関に、「国旗」が掲げられているのを見受けられます。建国を祝い協賛する、どの店の中に、商品の値段が<49ドル>のセールス値段が掲示されているのが、目立っています。
イギリス統治、短い期間だった日本支配、マレーシアからの独立を経て、この国が出来上がったのです。小さな島国なのに、アジア圏では特出した商業都市で、世界中からビジネスマンが駐在して、活発な経済活動が繰り広げられています。この国の建国に大きく貢献したのが、リ・クワニューです。貿易の経由地を,これほどの国にした手腕には驚かされてしまいます。
街中で行き交う人の中に、マレー人、インド人、欧米人が、中華系の人たちの間におられます。三年前よりも、人も街も、さらに豊かになっているのが感じられます。日本ラーメン、シャブシャブ、寿司などが、この街に溶け込んでいて、日本人駐在員や旅行者だけではなく、シンガポール人に好まれています。「寿司をつまむ」と言う言葉が,みなさんに驚くほど似合っておいでです。
また暑い日が始まります。この町の人々の心が平安で、身体が健康で、近隣諸国からやって来て激しい労働に従事する人たちも、その他の外国人が喜んで、この一日、働き、守られるようにと、願う早朝です。もちろん、みなさんにとられても!起きて来たら、虫の声のことを、娘に聞いてみることにします。
(写真は、2011年の「建国記念日」のものです➡︎シンガポールナビより)