夢wax

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 よく見る夢があります。精神分析で夢判断をしたら、何か、心の中に潜んでいるものが明らかにされてしまうかも知れません。その夢というのは、〈waxがない〉と言う切羽詰まった状況に置かれている自分なのです。いつも決まった夢です。『どうしよう?』と苦悶しているのです。でも、どうすることもできない状況にいる自分が登場します。

 長い間、真夜中に、スーパーマーケットの床清掃の仕事をしていました。ちょうど、子どもたちが進学しようとしていた時期に、不思議な形で与えられた機会だったのです。学校に行ってる頃に、都内の外資系のホテルでアルバイトをしていた時に、polisher (床などの洗浄機)を使ったことがあったので、その経験が役立って、月に二度の定期でする仕事でした。

 夜11時に、仮眠から起き出して、機材を車に乗せて出かけるのです。4人ほどのアルバイトをお願いしたでしょうか。11時半頃から床を掃き出し、通路にある商品を片付けて準備をするのです。0時の閉店を待って、床にジョウロで洗浄液を撒き、しばらく置いて、polisher  を回して洗浄します。その水を吸水機で吸い取り、その床を mop で2回吹くのです。その作業が終わると、バイト料を払ってみなさんには帰ってもらいます。そして、私が一人で、床に wax を二度塗りするのです。初めの頃は1回目の床の乾燥が十分でなく、powdering が起きて、床のwax が粉化してしまったのです。何度か、そんな失敗があって、順調に作業ができるようになりました。20年近くしたでしょうか。

 その収益は、子どもたちに教育を受けさせることができ、みんなが卒業した後、しばらく続けて、中国に行く2年ほど前に終えました。chain 店が10店舗ほどあって、それを請け負わないかとの会社からの話があったのですが、会社を起こすこともできましたが、本職第一主義の私は、その依頼は断ったのです。

 夢に出てくるのは、最後に仕上げ作業をする段になって、wax が見当たらないのです。どう手配しても間に合わない。午前7時の開店が迫っているのに、ないのです。市内の同業者に連絡しても真夜中なので、連絡できない。そこで目が覚める、そう言う夢です。強迫状況なのです。あの仕事をした年月には、牧師仲間の助けもありましたし、静岡や東京から電車で来てくれた方もいました。機械の断線、人不足などもありましたし、腎臓手術で入院中は、兄や友人たちが助けてくれたことがありました。

 二度ほど、実際に wax がなかったことがあったのです。急いで、車を走らせて、倉庫(教会の物置)に取りに行って間に合ったのです。もう一回は、注文を忘れて在庫切れだったのです。店には詫びて、清掃をし直したことがありました。そんな経験が、心の中にしまわれていて、時々夢に見るのでしょうか。ベッドの中で、モゾモゾしていたら、目が醒める、そんな夢だったのです。

 その店は、日本中から注目されていた有名店でしたので、大挙して見学者があるので、そんな日の前日には、飛び入りで床清掃の依頼をされることがありました。夜通し働いて、道具を片付けて、山に向かって走って、山間の温泉の湯船で、一晩の仕事の緊張と疲れをほぐした日々が、思い出されて懐かしいのです。中学生だった娘が、翌日学校があるのに、人が足りなかった時、助けてくれたこともありました。現場が、歩いても5、6分の所でしたから、できたのでしょう。

 暮れになると、家族でしました。店長さんが、店の福袋を、子どもたちにくださったり、けっこう楽しい思い出があったようです。最後の記念の作業日には、次男が助けてくれたのが感慨深く思い出されます。

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