何してんねん?

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 巴波川の流れにまたがる橋の上で、散歩帰りの家内が、有名な芸能人に行き合ったのだそうです。橋の下には、鯉が餌待ちで群れているのですが、めっきり人通りが減って来た、ミツワ通りででした。『鶴瓶さん?何してんねん?』とごく自然に語りかけたのが家内でした(これは脚色で、標準語で聞いたそうです)。『撮影できてますねん!』と答えて、誰とでも行き合うようにして、二言三言の話をして、『じゃあ!』と言って、家に家内が帰って来ました。

 帰って来た家内は、『片岡写真館の近くの橋の上で、鶴瓶さんに会ったわ。』と言うのです。隣のおじさんに会って、話を交わした風に語るのです。芸能界のことには疎い彼女なのですが、この方には好感を持っていて、その対応には緊張も、ときめきもありません。

 話をしてるのを見ていた一人のご婦人が、『すごい、私なんか勇気がなくって話かけられないのに!』と感心して話しかけて来たのだそうです。『握手したの?』と聞く私に、『そんなことしないわよ!』と言ってました。コロナ感染下では好い選択でした。なんとも普通に平日の午後の散歩中の一コマでした。

 この辺は、遊覧船の船着場と、塚田伝説記念館の黒板塀が有名なのだそうで、時々テレビや映画で、時代劇や明治物を撮るために、撮影隊がやってくるのです。散歩仲間が、昨秋は、吉永小百合が来ていたと知らせてくれたそうですが、そこへ駆け出して行かないのがいいですね。

 『寒いのにご苦労様です!』と労って、家内は帰って来たのです。散歩で出会った人との様子を、いつも報告してくれます。寒風の中にも、体調管理を怠らないで、雑貨屋や図書館に出かけている一月です。

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