堅牢

 


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この上の写真は、東京都日野市(当事は南多摩郡日野町でした)の駅前の古写真です。この箇所から100mほどの所に、八坂神社があって、その祭礼の日に撮影されています。

真ん中は、甲武鉄道の多摩川の鉄橋で、1919年(大正8年)に撮影されています。立川から八王子に向かう蒸気機関車ですが、私の世代は、乗ったことのある代物(しろもの)です。ただし、中央線はすでに電化されていましたから、それではなく、五日市線が、まだ蒸気機関車で、電化されていなかったので、乗れたのです。

下の写真は、明治20年設立の日野煉瓦(レンガ)製作所が、甲武鉄道の資材として製造した煉瓦で出来た橋脚です。明治に出来た当時の物で、現在なお使用されている、堅牢な《優れ物》です。

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ホッと

 

 

以前、ある会社が、『次のうち、どれかひとつだけ手に入るとしたら、あなたに必要なものは何ですか?』と言うアンケートを実施しました。対象は20代の若者です。その選択肢は、次の9つでした。

有り余る金。
誰もがひれ伏す権力。
知らない人はいないというぐらいの名声。
互いに信頼できる親友。
心から愛し、愛される人。
温かい家庭。
誰にも負けない美しい容姿。
一生かけて極めたい仕事。
とことんのめりこめる趣味。

このアンケートの結果はと言いますと、
男性の一位は「有り余る金」で、二位は「温かい家庭」。
逆に女性の一位は「温かい家庭」で、二位がお金でした。
三位は男女共通で「心から愛し、愛される人」。
四位はというと、男性は「一生をかけて極めたい仕事」で、
女性は「信頼できる親友」でした。

富か、名声か、家庭か、友か、仕事か、趣味か、人生に必要なものを一つ選ぶというのは、本当に難しいことです。応答する人の価値観、人生観が問われることかと思われます。

このアンケートから、だいぶ年数が経っていますから、これの応答した人たちは、もう40歳代になっていることでしょう。多くの人が結婚をし、子どもを育て、男性なら仕事に脂が乗っている時期に違いありません。大きな地震が日本を襲い、異常気象が起こり、戦争の噂も聞き、いじめがより陰湿化してきているなど、社会は大きく変化している今、どう答えられるでしょうか。

<その後>、この人たちに再アンケートをしてみて欲しいものです。私など、自分の課せられた仕事を終え、第二の人生を、国外で生きているものには、もう求めても得られないものもあります。あんなに頑強に見えた映画俳優が、病んで闘病し、あるいは亡くなっていることを見聞きしますと、結局は、健康で長生きすることに尽きるのでしょうか。

でも健康で長生きできても、人生は70年、80年、壮健でも100年でして、結局は誰もが亡くなっていくわけです。アンケートの項目は、人生の目的ではなく、その時々の励みになる項目なのでしょう。イスラエルの賢人が、『空(くう)の空、すべては空!』と言いました。この人は、誰もが羨むほどの富と権力と快楽を得たのですが、全てが過ぎ去ってしまい、行き着くところは<空>だと言うのです。

私は、この賢人からではなく、産んで育ててくれた、高い教育を受ける機会などなかった母から、子どもの頃に、《空》の先にあるであろう、《永遠のいのち》の実在を教えられて、『あるんだ!』と信じて、今日まで生きてきているのです。いよいよ《実在》の思いが強くなってきています。もう少し具体的にいますと、帰って行く《永遠の故郷》が、日本以外にもあるんだと、そう信じているのです。

でみアンケート結果の中に、「心から愛し、愛される人」や「温かい家庭」があって、なんともホッとしました。

(陣馬高原に咲く「りんどう」です☞[H/里山ウを歩こう]に寄稿の[町田のこうさん]の撮られたものです)

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