地産地消は当てはまらない

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「東男に京女」と言ったそうです。中国版ですと、「北京男に上海女」とか、アメリカ版なら、「ワシントン男にロサンゼルス女」と言いたいのですが、少々無理がありそうで、そういうわけにはいきそうもありません。

日本では、「箱根」を越すか越さないかで、違いがあったのだそうです。そこには「関所」があったからでしょうか、江戸への一大関門を上りでも下りでも過ぎると、人の気質が違っていたのでしょう。それとも、幕府のお膝元を離れると、気分が楽になり、江戸に近づくと、緊張したりと言った違いだったのかも知れません。

今、私たちが住んでいる街の男性は働き者で、『婿にするなら、これに過ぎる者はいない!』と言われるほど、高い男性評価があるのだそうです。逆に、こちらの女性は評判があまり、芳しくないようです。かく言うのは、隣町の友人の女性です。東日本で有名なのは、『かかあ天下と空っ風』という言い方があります。上州女や甲州女を、そう呼んできたそうです。<しっかり者の女性>がいて、男性は少々頼りないとされていると言うのでしょうか。

今では、流通が良くなって、この広い中国でも、一律に、同じ物を食べたり飲んだり着たりするので、地域的な違いが少なくなってきています。これも、また世界中の傾向です。「地産地消」が、人の体には一番だと言われているのですが、その土地で湧き出す水、その街の植物から発生する空気、その地域の土地が産する食べ物は、天の配剤であるのですから。

わが家の食生活をみますと、北欧産のサーモン、タイ産のドリアン、イギリス産の紅茶、アメリカ産のチョコレート、日本産の海苔茶漬け、こちらのお米で作ってくださったお餅や和菓子などが、時には食卓に載ります。それを、日常的に、または時々、飲み食べている私たちの体は、もしかしたら悲鳴を上げているかも知れません。でも、<感謝>をもって食しているので、体は納得かも知れません。ちなみに、私たちの両親は、「相模男に出雲女」でしたが、二人は仲が好かったのです。結婚生活には、「地産地消」は当てはまらないようです。

(絵は“wm”による鎌倉時代にあった「流鏑馬(やぶさめ)」の装束です)