遊び仲間の声

 

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子どもの頃の遊び道具の中に、飛び道具として、「紙鉄砲」がありました。実に他愛のない遊びをしたものです。口の中で、紙(新聞紙だったでしょうか。紙はまだ貴重でしたから。)を噛んで、唾液で柔らかくして丸めた物を「弾(たま)」にして、篠竹の筒の先と元に入れて、竹筒より細い棒(割り箸のような)で押して、空気を圧縮して飛ばすのです。『スポン!』といういい音がして、標的を撃つのです。押した弾は、次に飛ばす弾になるのです。

それと同じ原理で、「杉鉄砲」もありました。杉の「芽」を弾にして飛ばすのです。紙製よりも、鋭い音がして、飛んで行く速度も早かったのです。当たった痛みも強さを覚えています。春の芽吹く時だけしかできなかったのですが、夏には、同じ竹製の筒で作った「水鉄砲」もありました。大きい子から作り方を伝授され、それをまた、下の子たちに教えて行く、そう言った繰り返しがなされた、好きじだいでした。

遊び道具が市販されていないので、自家製の遊び道具を工夫して、自分たちで作り、作り方が伝承されてきたわけです。「創意工夫」とか「改良」とか言ったことが行われ、きっと「物作り」の基礎になったのだと思われます。自ら「物作り国」と呼ぶ背景には、江戸の昔からの「遊び」がある様です。

雪の便りが聞こえ、先週は、四国や島根で大雪だったようです。雪が降ると、「橇(そり)」を、兄たちが作っていました。こちらの東北地方でも、積雪があるようですから、子どもたちは外で遊んだりするのでしょうか。自分たちで橇を作ったりしてそうですが。そう言えば、雀などを捕まえる、「バッサリ」とう仕掛けも、すぐ上の兄が作っていました。ワイヤーと言う鋼線が必要でしたが。あの嬉々と遊び暮れていた遊び仲間の声が聞こえてきそうです。

(図は、”大末畳店HP”から「杉鉄砲」です)