先週、シンガポールで働いている長女が遊びに来てくれました。両親が仲良く暮らしているか、その様子を見にきたのでしょう。清朝からの伝統的な街並みをそぞろ歩いて、お土産屋を覗いては買い物をしたり、コーヒーショップに入ったりして、久しぶりの休暇を楽しんでいたようです。また、家内と連れ立って、近くのスーパーのウインドウ・ショッピングにもでかけたようです。かつてこの街にいた外国人たちの別荘があった山里を、友人に案内していただきました。観光開発で整備された遊歩道を、秋の空気を思いっ切り吸いながら、森林浴を楽しむことができたようです。シンガポールには山がないとのことで、私の真似をして、向こうに見える山や谷間に向かって大きな声をあげていました。
山行きの昼には、地鶏のスープや地産の野菜を使った料理を、友人がご馳走してくれたのです。観光シーズンではない週日でしたから、人もまばらで、ゆったりした時を過ごせました。日本でも、軽井沢とか清里、さらには上高地などは、日本に滞在していた外国人によって見つけられ、開発された歴史があります。私たちが訪ねた山里も、欧米人、特にイギリス人たちが開発したそうです。山村には珍しかったプールやテニスコートも作っています。彼らの「休暇村」での様子を、掲出されてある古写真で知ることができました。仕事と休暇、公と私をはっきりとする欧米人の生き方は、東アジアの私たちのアイデアとは違い、なかなか真似ができません。
二つの家族に食事に招待され、家内と私と三人で一緒に預かることができました。珍しい物まで食べることができたのです。また、高級な外資系ホテルのレストランで韓国料理を、娘が私たちにご馳走してくれたりしました。今回で五度目の訪問だそうで、数えてみたことがありませんので、ちょっと驚いたりしました。ここが気に入っているからこそ、なんども訪問してくれるのでしょうか。いいえ本当は、だんだんと年を重ねている親を心配しての訪問だということが分かっていますから、とても嬉しかったのです。私の仕事机の椅子が、街の食堂のプラスチック製の簡易椅子と同じであり、私が腰痛で時々苦しむのを知っている彼女は、高級な事務用の椅子、そして腰部を保護するクッションまで買ってくれました。今も、座り心地よく、iPadに向かっています。
友人が、『空港まで送りましょう!』という言葉に甘えて、昨日の朝、私たちのアパートの門口で待っていました。やってきた車は、私が乗っていたカローラやマークⅡ級ではなく、ベンツの最高級のグレードでした。素晴らしい乗り心地に満足して、朝の便で、娘が帰って行きました。多くの若い友人たちに囲まれ、世話されている両親の様子を確認し終えて、安心したようです。こちらの名産の「お茶」を土産に持って行ったそうです。『来年は、新しい歩みを採りたいの!』と娘が言っていました。全てを委ねて、しっかりと最終決定をするように願って、手を振りました。
(写真は、70年以前に利用されていた「別荘」です)