明日への夢

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先日亡くなった、私たちの時代のスター選手・川上哲治は、どんな選手だったかを<ウイキペディア>で調べてみました。そこで新発見をして、ちょっと驚いているところです。というには、子どもの頃に、『うわ、すげー!』と憧れて見上げていたプロ野球選手は、「大男」だと思っていたからです。もちろん、グランドに降りて、肩を並べたことなどありませんでしたが、意外だったのです。ここで、何人かのプロ野球選手の「生まれた年」、「身長」、「体重」をアップして見ましょう。

沢村栄治➡1917年ー174cmー71kg
川上哲治➡1920年ー174cmー75kg
大下弘➡1922年ー173cmー70kg
王貞治➡1940年ー177cmー79kg
前田智徳➡1971年ー176cmー80kg
イチロー➡1973年ー180cmー77kg
田中将大➡1988年ー188cmー93kg
廣田雅仁➡1944年ー173cmー72kg

という違いです。最後は誰かと言いますと、この私です。川上も沢村も大下も、私と変わらない体格だったことが新発見だったのです。前田やイチローは、私の二人の息子たちの世代で、私よりもはるかに背が高いので納得ですが。今年のプロ野球で、綺羅星のように輝いて、大活躍をした田中将大投手の大きさには驚かされてしまいます。これだけの体格でしたら、米球界でも引けを取らないでしょう。栄養事情の違いでしょうか、戦後のプロ野球で、川上と並んで、「青バット」でホームランを数多く打った、「大下弘」と、ほぼ同じ体格の自分のことを改めて考えて、「野球をやっておけば好かったのに!」と思ってしまいました。

十年ほど前に、中国の辺境の貧しい人たちに、生活物資や衣料品を持って来たことがありました。知人が、「大連」にいて、彼の元を訪ねたのです。一月の厳冬期でしたので、路面は降った雪が踏み固められて凍っていました。それで、街の中のショッピングセンターに、家内の滑り止めのついた靴を買うため行ったのです。そこで気付いたのは、東北地方の男性たちが、私より頭一つ、いえ一つ半ほど背が高いことでした。日本で、私の世代では、まあ少し背が高い部類だったでしょうか。ところが、中国の東北人の男性が、こんなに身長が高く、肩幅も広く、顔もキリッとして凛々しいのには驚かされたのです。

まあ人間の価値は、身長にはないことは分かっていますが、完全に見劣りがしてしまっていました。人は、際限なく大きくなるのでしょうか。馬上に雄々しいナポレオンも、旧ソ連のスターリンも、背が高くなかったそうですから、気にしないことにしておりますが。それでも、「英雄」のように憧れていた、大下や川上が「大男」に見えたのは、やはり、芋ばかり食べていた国民が、やっと「コロッケ」を食べ始め、みな自信喪失の時代に、「明日への夢」を与えてくれ、「輝いていた」からに違いありません。

(写真は、「青バット」の「大下弘」です)