三寒四温

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 「三寒四温」とは、よく言ったものです。goo辞書でみますと、『冬季に寒い日が三日ほど続くと、その後四日間ぐらいは暖かいということ。また、気候がだんだん暖かくなる意にも用いる。 』とあります。ここ華南の地でも、暑いと思ったら、その反動で「寒さ」を感じる日があります。今日も、夕方は、涼しいと言うよりは、『寒い!』と言った感じがしています。午後から、二人のお客さんが見えて、日本語と中国語で交わりをしました。お二人とも、日本留学の経験者で、一人は大きな企業の社長さん、もう一人は大学の先生でした。

 せっかく来られるので、朝はスーパーにデザートを買いに行き、昼過ぎにはバスに乗って、街中の「ケーキ屋」さんに出かけて、チーズケーキを買って来ました。珈琲と紅茶を淹れたのですが、ケーキには手を付けられなかったのです。結局、客人の分は冷凍庫に入れ、われわれの分は、二人で食べてしまいました。客人は、話の間に、ジャンバーを着たり脱いだりされていました。ストーブをつける程ではなかったのですが、ちょっと薄着では、ゾクッといった感じがしていました。

 おとといの水曜日の夕方には、雷光が閃いたと思いましたら、雷鳴が轟き、強い雷雨が降り始めました。日本の私たちが過ごした街でも、同じでしたが、それは「春到来」の告知なのです。しかし、こちらの「春」は極めて短いのです。『わあ春だ!』と喜ぶのもつかの間、もう30度の夏がやってくるのです。週初めには、31度の日がありましたし、明後日は28度の予報が出ていました。『春眠暁を覚えず!』と言われる、寝坊をしたいような季節になって来ました。それでも明日は、ハイキングに誘われていて、7時過ぎには家を出て、バスで師範大学の前の集合場所に行かなければなりませんので、朝寝坊はできそうにありません。

(写真は、ブログ「おおば屋」の「雷光」です) 

心を聞く

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 3月14日に、広島県江田島で悲しい事件が起こったことをニュースが報じていました。牡蠣の養殖を学んでいた中国人の研修生が起こした死傷事件です。二人の方が亡くなり、6人の方が負傷しました。このニュースを聞いて、残念でなりません。「3K」と言われる職域に、外国人労働者を雇う機会が多くなってきた日本の企業の経営者は、低賃金労働で、利潤を確保できるだけでいいのでしょうか。

 先月、上海から乗り込んだ「蘇州号」に、大勢の若い中国人のみなさんが、渋谷の街で見かけるような服装、ヘヤースタイル、靴の出で立ちで乗っておられました。日本企業への「研修生」のみなさんでした。中国にも日本にも、いわゆる「ブローカー」がいて、日本の会社からも、研修生からも、いろいろな経費の名目で金銭を得ているのです。劣悪な労働条件で働き、報酬も、日本人従業員と比べて低く、様々な経費も天引きされて、月々の手当をもらっています。その手当も、中間搾取があると聞いています。もし、同じ労働条件で働く日本人の給料の額を耳にし、賃金に格差があることを知ったら、誰もが不満に思うのは当然ではないでしょうか。「労働力」と「儲け」だけで、彼らの「心の問題」を聞いていないのです。雇い手には、彼らの心を聞いてあげられる機会を持たなければなりません。

 受け入れる側に、外国人の持っている文化、生き方、価値観を学ばないで、ただ、安く働かせて、得しているだけに終わっているのです。こういった現実が、この事件を生んだのだと考えられます。『零細企業だから・・・』という、経営者の言い訳だけでいいのでしょうか。外国人を受け入れている企業としての努力が忘れられているのではないでしょうか。『あいつら、まじめに仕事もしないでサボろうとしてばかりいやがる!』とか、『生活の仕方がなってねえ!』とか言う前に、彼らを知ろうと努力していないのではないでしょうか。『どこでも痰を吐く』、『便所に行っても手を洗わない』、『大声で話をする』とか言って嫌いますが、 日本人と生活の仕方が違うのは当然です。外国人と接触のない島国で育った日本人の方に問題があります。

 この事件のニュースを聞いて、先ず第一に、そう思ったのです。『働いてもらって感謝だ!』との思いがない経営者は、何時か事業に失敗するのです。日本人への要求を、外国人のみなさんに要求するのが問題です。こちらの企業でも、「労働争議」が起こるのは、日本方式、日本精神を押し付けて、彼らを理解しないからなのです。これは、日系企業に働き始めた卒業生たちの弁です。台湾に訪問した時に、知っている方が、いつも間にか日本に撤退していました。その理由を、台湾の方に聞きましたら、『彼の《日本精神》が一番の問題で、うまく人間関係を構築できなかったからです!』と言っておられました。台湾と大陸中国とは、さらに違うのです。もちろん犯罪は赦されるものではありませんが、彼の心の動きを思い図ってみて、彼の気持ちがわかるのです。『馬鹿野郎!』は、絶対に言ってはいけません!

(写真は、http://nupi.no-ip.com/shin/tasogare.htmlの「暮れなずむ瀬戸(広島県江田島市)」です)

新柔道?

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 ここに貼りつけた写真は、「新柔道?」のようです。身につけているのは、「柔道着」ではありませんし、素足であるのにクツを履いています。それに、帯も締めていません。また、畳の上ではなく、土の上です。さらに形相をみますと、怒りに満ちていますから、スポーツのようには見えません。この戦いを見ている人は、審判ではなさそうです。何なのかと、よく見ますと、アメリカ人とメキシコ人なのです。アメリカ人が、メキシコ人を投げ倒しているではありませんか。投げていますから、「柔道」だと思ったのですが、こんな柔道、見たことがありません。

 これは、ついこの間の「ワールドベースボール」の予選で、アメリカ・チームとメキシコ・チームとが対戦した「野球」の試合の一コマなのです。一コマと言っても、野球ではなく、怒り心頭のアメリカ選手が、メキシコ選手を、地面に叩きつけているのです。バットもグローブもボールもありませんから、「乱闘」なのです。私はこの写真を見た時に、「新しい柔道」が始められたのだと思ってしまったのです。ところが、多くの少年たちが憧れて、『何時かイチローのような、松井のような野球選手になりたい!』と願っている「野球」をしている選手同士の争いだったのです。

 父が、「プロ野球」が大好きで、とくに「読売巨人軍」のフアンでした。テレビの中継時間が終わると、小型ラジオに耳をつけて、最後まで勝敗を見守っていたのです。その父の影響で、兄弟4人が、同じように「ジャイアンツ」贔屓だったのです。すぐ上の兄は、高校球児になり、東京都の大会で、ベスト16位になったことがあったと思います。私は、兄たちとキャッチボールをしたり、友人たちと「三角ベース野球」をやったりしたのですが、鈍足だったので、野球は不得意でした。東京ドームではない、「後楽園球場」には、兄に連れられて2回ほど行ったことがありました。そのころの「プロ野球」は、とても面白かったのです。

 しかし、最近はつまらないのです。「高校野球」も、清々しい若者のスポーツの雰囲気がなくなり、青田買いのように、「契約金」をちらつかされて、「野球=お金」の算式になってしまいました。昔は、貧しい子が、一生懸命やって夢を叶えられた時代だったのでしょうが、今は、そうではなくなりました。ほとんどの「アマチュアスポーツ」が、「お金」に絡んできてしまいました。だからつまらなくなって、カサカサした乾燥感がしてきたわけです。そんな中での、「乱闘劇」、象徴的な出来事ではないでしょうか。

(写真は、2013年3月10日のカナダ対メキシコ戦の一こまです)