そのひたむきさがいい

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 〈バーチャル高校野球〉と言うネットの放映で、甲子園大会に出場の高校野球の選手が、挨拶のために、帽子を取ると、長髪なのを見て、ちょっと驚きました。あるチームは、クリクリ頭の一厘刈りなのに、その違いが、今らしくて面白いなあ、と思ったのです。まさに、〈多様性の時代〉なのでしょう。

 すぐ上の兄が、高校球児で、やはり坊主頭でした。1974年に東京都の予選は、東西に二分して、東東京と西東京から、それぞれ一校ずつ選出されるようになるのですが、兄たちの頃は、一校のみでした。自分たちの属する都道府県の代表校として選ばれたのです。

 戦前は、台湾からの参加もあって、嘉義農林学校が代表校で、甲子園の土を踏んでいるのです。第十七回全国中等学校優勝野球大会に出場し、勝ち進んで、準決勝で小倉工に10-2で圧勝。最後の決勝の中京商業戦では、0-4で負けてしまったのですが、準優勝をして、映画化もされています。

 今年の出場校のうち、栃木の県大会を勝ち抜いて、選ばれたのが文星芸術大学附属高校でした。20人のベンチ入り選手中、県内の中学からのメンバーは17人でした。県予選で負けた作新学院は19人が県内出身だったのです。その反対に、県内出身者の少なかったのは、島根県の江の川高校は2人、山梨県の山梨学院は3人、高知県の明徳義塾が5人でした。公立の徳島商業は全員が徳島県勢です。

 多くのチームが野球留学の生徒たちで構成されていて、名門への進学、県予選の学校数の少ない県への進学(野球留学)が、甲子園への道になっているのは、ちょっと逸脱していて、企業野球のようで寂しい限りです。

 でも、野球をする部員たちは、下向きな努力で、競争して代表選手に選ばれてベンチ入りしているのです。そのプレーも顔付きも素敵です。去年も今年も福島県代表になった聖光学院の校歌に、『復活(よみがえり)の主』とあって、昨年も今年も驚かされたのです。学問の向上だけではな、そんな信仰上のことを表現する学校の姿勢に、隣県ですが応援してしまったのです。

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 もう一度高校生になれたなら、今度は野球部に入ろうと思うのです。アメリカ生まれのスポーツなのですが、日本的な展開をしている高校野球に面白くて、惹きつけられるからです。大人の目、プロ野球人の目でではなく、野球好きな爺さんの夢なのです。白球を投げ、打ち、追い、捕る汗まみれ土まみれで励む、お金に無縁な、《直向(ひたむき)さ》の世界の野球がいいからです。

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自転車乗りの決意

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 私たちに住む栃木県の県都は、「宇都宮市」、戦国の世、下野国の宇都宮氏の支配のもとにあり、江戸から奥州に至る奥羽街道の要衝の地だったのです。戦国時代には、滋賀の蒲生秀行が支配し、江戸期に、宇都宮藩の初代藩主に、奥平家昌がつき、本田、阿部、戸田、松平と、改易、就任と入れ替わりに藩主が、幕府の管理の下に、移り変わっていたそうです。

 今では、「50万都市」となり、明治初年には、栃木市が、県庁所在地であったのですが、県令(当時の知事です)の三島通庸(9薩摩藩士)の決定で県都になっています。時代の移り変わり、電車や道路の整備によって、中心が、宇都宮市に移されて今日に至っています。

 この街は、「雷都」と異名をとっていて、「雷(らい)さま」と呼ばれるほどです。戦後、大陸から戻った方によって作り始められた、浜松と競い合う「餃子の街」にもなっています。ちょっと小ぶりですが、佐野ラーメン店の作る物もボリュームがあって美味しいのと、ちょっと違った味がするようです。

 また、この街は、「自転車の街」とも言われているそうです。同じ県民として、自転車利用をしている者でもありますので、四輪の自動車と同じ「車両」でもある自転車を、規則に従って乗る義務を、再確認しているところです。警視庁では、自転車が事故を起こすことが多い昨今の事情を見て、〈反則切符〉を切ることを検討しているようです。毎日新聞は、次のように報じています。

 『警察庁は3日、軽微な交通違反で「青切符」を交付して行政罰である反則金を納付させる「交通反則通告制度」の対象に、自転車を新たに加えることを検討すると発表した。刑事罰を科す手続きに入る「赤切符」(交通切符)による取り締まりの対象にはなっているが、検挙件数が急増する一方で、ほとんどの違反者は起訴されていない。警察庁は有識者会議を設置し、年内に提言を取りまとめた上で、2024年の通常国会への道路交通法改正案の提出も視野に進める。』

 父の自転車が家にあって、小学校に入ったばかりの頃に、自転車の乗り方を、兄に教えてもらったのです。学び方が悪かったのか、右乗り右降りで、今日まで自転車に乗ってきているのです。もちろん左乗りもできますし、左側で自転車を押すこともします。排気ガスは出しませんし、健康管理にも、有酸素運動にもなり、何よりも、利用が簡便でいいのです。

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 警察庁によりますと、どん違反が多いのかと言いますと、信号無視や一時不停止だそうです。確実に、違反件数は増え続けているので、法規制はやむを得ないのかも知れません。こんな、自転車乗りに関わる、標語のような俳句があります。

ひと呼吸 焦らずゆっくり 踏むペダル

 あわて者のお爺さんも、こんな motto が必要なのでしょう。今年は、車に追突されて、市警の現場検証をしてもらうような、事故にあってしまいましたから、より注意の毎日です。しっかり、helmet を被って、35℃ の中を、爽快に、そして注意深く走っております。

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