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今日、4月4日、うずま公園に咲く桜花です。コロナ旋風の只中、優しく咲く花に慰められます。
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若い頃、私の恩師の元を訪ねに来た、恩師の友人たちが、ことあるごとに、まだ青臭く、野心的な私たちに向けて、教え戒めてくれた言葉があります。『金と女と名誉の誘惑に勝て!』でした。この3つの点で、多くの人が、人生を失敗してきているからです。
お金が目的になった人の末路も、遊びで始めた火遊びに捉えられて深みに嵌った人の末路も、出たがり屋の名誉心で人の信用を失った人の末路も、どれも惨めです。本人よりも、かえって妻子の方が悲惨なのです。
ある人たちは、煙が立ち昇った段階、つまり人の口に、〈噂〉が昇った時点で、その人を、その要職に相応しくないと判断してしまいます。その人は、友人や先輩として愛しても、その動機や行いを憎むのです。そうしないで容認し、妥協してしまうと、いつの日か自分も同じ轍(わだち)の中にはまってしまうからです。
英雄たちに、英雄である時期がありますが、その時期は、一時的です。大いなる力が、その事態の収拾のために、その人を選んで、その事態に当たらせていることをわきまえないで、ことが終わった後も、英雄気分に浸っていることが忘れられず、ついには堕落してしまう人が多いのです。歴史は、英雄たちの末路、後半生が醜いものであることを証明しています。
そう言えば、恩師や友人だけでなく、アルバイト先のおじさんたちが、教訓を垂れてくれたのを、けっこう真面目に聞いていたのです。『若い時に、大いに遊んでおくんだ。そうすれば年を重ねたら、誘惑に勝てるからね!』と言うと期待していたら、とんでもなかったのです。『大いに飽きるほど遊んだって、この道は悟りがないんだ。やめられずにズルズルと一生、そうして行くんだよ!』と、危なっかしい私に言ってくれたのです。
吉祥寺の駅近の青果会社の荷受けのアルバイトをしていた時、初老のおじさんが、そう言っていたのを、大いに納得して聞いたのです。まさにその通り、真面目に若い時期を生きた人が、何かの切っ掛けで、〈老いの撹乱〉で、家庭崩壊をすることだって、よくあるのです。泥沼から這い上がれたこと、自分の弱さから生還できたのは、まさに、あの方たちの「教え」と「戒め」によってでした。ありがたいことです。
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