めっきり秋めいて参りました。ここは農村地帯ではありませんので、黄金色(こがねいろ)にゆれる稲穂を見ることはできません。郊外に出れば水田もあるのですが、出かけることがありませんので、想像するばかりです。でも、あちこちにある果物屋さんの店頭には、栗、梨、柿、葡萄、棗(なつめ)が、所狭しと並べられて、秋の到来を告げています。先日も、この省の葡萄産地に出かけた、若い友人夫妻が、息子が来ていると言うことで、大振りのカゴいっぱいの葡萄を届けてくれました。
日本の葡萄の生産地として有名な地、「果物王国」で生まれた私にとって、故郷を感じさせてくれる果物の一つで、たわわに実った葡萄の房が、秋の陽を受けている、ふるさとの様子を思い出させられました。こちらの果物は、日本同様に、いえ、それ以上に美味しいのです 。頂いた葡萄の房も、粒がふぞろいですが、甘さはとびっきりです。あまり人の✌️を加えて、剪定していないところが、こちらのよさでしょうか。
この方が、柚子(youzi,日本では文旦と呼ぶのでしょうか)もくださったのです。省南の農村が産地で、何時でしたか、そちらに出かけた時に、バスの沿線の路肩に、山のように積んで売っていたのを眺めたことがあります。これも美味しいのです。隣に住んでいたら、届けて食べさせて上げたいほどです。ただ気持ちだけ、受け取ってください。
そうしましたら、一昨日、我が家の下の階の小学一年生が、玄関の戸を叩きました。『これ・・・』と言って、袋に入った小ぶりの栗を持って来てくれたのです。日本では見かけない、ドングリのような栗です。田舎があって、そこから届けられた物を、お裾分けしてくれたのでしょう。さっそく、包丁で栗に切れ目を入れて茹でました。この季節になると、時々いただくのですが、これが美味しいのです。小粒なので、皮をむくのが、ちょっと面倒なのですが、ホッコリして、秋を感じさせてくれる味なのです。
「味覚の秋」、舌やお腹で,味わえる秋が最高の季節でしょうか。あ、もう一つ頂いていました、「梨」です。フランス梨のような形状で、皮は青いのですが、味は抜群に甘いのです。日本には、こんなに甘い梨はなかったと思います。訪問の息子には忙しすぎて、ゆっくり家にいてもらえなかったので、味を楽しむことがなかったようです。
ちょっと羨ましがらせてしまったようですね。こちらに、お出でになられたら、ご馳走いたしましょう。朝晩はともかく、今日の最高気温は、32度もありました。
(写真は、”百度”から、中国の葡萄と柚子と栗です)