『自分のことをどう思ってるんだろうか?』、『日本のことを、この国の人はどう思ってるんだろうか?』、そして、『あなたは・・・・だ!』、『日本という国は・・・・だ!』と聞いては一喜一憂しています。多分、日本人は、他人からの評価や意見が気になって仕方のない民族なのだと思うのです。”アイデンティティ”という言葉がありますが、この確信に乏しいので、聞き耳を立てるのです。そして、悪評価を聞いて、怒ったり、反論したり、しまいには落胆してしまうのです。
<十人十色>で、人は思うことも考えることも喋ることも、それぞれに違うのです。朝と晩でも、季節によっても違います。そのことにばかり関心を向けているには、人生は短か過ぎるのではないでしょうか。私は、人の意見には<馬耳東風>にすることに決めています。もちろん、気遣って意見や忠告をしてくれる人の言葉は聞きます。好い動機だとわかる言葉を<取捨選択>することにしているのです。
<流言蜚(飛)語>という言葉もあります。根拠のない扇動的な悪意のこもった宣伝やデマのことです。デマを百回も言っているうちに、しまいには、「真実」になるのです。それで、「噂戦争」を仕掛けるのかもしれません。標的を心理的に混乱させ、慌てさせて、ついには自滅させる作戦です。これは功を奏することができる作戦なのです。よく「いじめ」で用いられる手法です。
インターネットは、あらゆる情報の集積場です。どこから、誰から発信されているかを確かめないと、毒され害されてしまう<ゴミ情報>で満ちています。時間を持て余している人の憂さを晴らす領域にもなっているのではないでしょうか。日光東照宮に、「見猿聞か猿言わ猿(三猿)」の彫刻があります。小学校の修学旅行で見学に行きましたが、よく見えませんでした。そうです、「聞かざる」が一番良いのです。栄養にならない「噂話」に煩わされないですむからです。
ゴシップ、作られたスターの行動や生活などの言動は、一般庶民の堅実な生活には、何の参考にもならないのです。聞くべきは「天来の声」です。右か左か、どちらに進むかを、これは的確に教えてくれるのです。
(写真は、WMの日光東照宮の「三猿」です)