すぐに

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 『準、すぐにやりなさい!』と親に、よく言われました。自分だけではなく、この社会での常套句に『後で !』があります。日和見的な見方や考え方をしないで、『直ぐに!』ことをしていたら、悲劇を免れたことが多くありました。また、他者に任すべきなのに、一度得た立場や要職に留まろうとする思いが、人は強いのです。国や会社のためではなく、自分の功績にこだわった結果、国や会社の将来を傷つけ、取り返しのつかない状況に置いた事例は多いのです。

 「失敗」の原因が、それです。それは自分の場合も同じです。帰国してすぐの頃に、血圧が高くなっていたので、内科医に診てもらいました。血液検査結果や体重の増加から、友人に紹介いただいた医師は、『廣田さん、一度罹ったら後戻りできませんよ!』と、〈糖尿病予備軍〉の状況を警告さ れたのです。行動範囲が狭くなり、悪いことに新コロナの嵐が吹きまくって、家にとどまる機会が多くなり、確実に運動量が少なくなり、体重が増えていました。

 そんな中、お菓子や果物の糖度の高く美味しい物をもらい続けていました。確実に食べる機会や量が増えていたのです。子どもたちも注意してくれていました。それで、昨年末に、市の総合検診を受けたのです。胃と糖尿の再検査の結果が出て、家内の掛かり付けの獨協医科大学病院で検査をしていただくと、幸い胃には問題がなかったのですが、糖尿病だと言われました。

 サイトで市内の糖尿病専門医を探して、診察の予約をとりました。開院前に病院につきましたら、駐車場のまわりに置いてあるバラの花に水やりを、院長がしていました。私と挨拶を交わすと、ホースの栓を止め、医院の中に入って、カーテンを開け、錠を開け、エアコンとテレビにスイッチを入れて、私を招き入れてくれたのです。

 診察室や廊下に、一人のイギリス人画家の絵が何枚も架けられていたのです。患者の扱い、絵の趣味、ご本人が待合室に出て名を呼んで診察室に導く仕方を見て、『この方にお任せしよう!』と言うことに決めたのです。今、好い方向に向かっていて、飲んでる降圧剤や尿酸調整剤の薬がやめられそうなことも言われているほどです。

 あの〈後戻り不可〉を言われた段階で、治療を開始し、食生活を改善し、運動量を増やしていたら大事にならずに済んだのだと、遅い反省をしているのです。大体、『後で!』と、健康過信をして、人は重症化していくのでしょう。

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 戦時下の日本が、後送りをしないで、早く決断をしていたら、広島と長崎、満州、北方領土、日本の都市爆撃など、終戦間際の悲劇を回避できたと言われています。何が問題だったかというと、科学的な考察が足りなく、〈精神論〉ばかりが叫ばれ、情勢認識が甘く、正しく覚悟の決断が遅れてしまったのです。それで取り返しのつかない結果を生んだことになります。

 コロナ対策も同じです。あんなに専門家が警告をしてきているのに、耳を貸そうとしません。政治主導、経済、いえお金優先になってしまって、決断人の顔、外国の顔を見るばかりで、現実を正しく凝視しないでいるからです。いつも思うのは聖書の記事です。そこには、愛に動機付けられた「警告」が満ちています。

 『それから、イエスは彼らに言われた。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、大地震があり、方々に疫病やききんが起こり、恐ろしいことや天からのすさまじい前兆が現れます。(ルカ211011節)』

 これも〈週末に関わる警告〉と言えるでしょう。「疫病の蔓延」が、世界大に広がっていく時代の直中に、私たちはいます。この時代を生きる一人一人が、はっきりと思いを決める必要がありそうです。大水、洪水が起こるというのは、食糧危機の飢饉が伴うことでもあります。心が乱れ、不安の恐怖に見舞われるのです。どう心の準備をすべきか、これこそが、私たちの大きな今の課題になりそうです。
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