被災した鉢の花が、二種類、新しい家の四階のベランダに、運び込まれています。朝顔、ハイビスカスです。高根沢に避難している間、水遣りなしで、前の家の軒下に放っておかれたのに、命を繋いで、手狭なベランダで咲いています。
完全に、洪水を被ってしまった鉢ですが、逞しく生き続けているのを放置できずに、自転車に乗せて運んできたのです。庭の土に返した、ホットリップスは、勢い良く咲き続けていました。プリンセス・ダイアナは土に戻り、また季節到来で咲いてくれることでしょう。
庭が広くて、木槿(むくげ)や薔薇を植えたかったのですが、ここベランダでは、ちょっと無理の様です。180円で、ハイビスカスを買った店が、濁流に浸かった上に、火が出て全焼してしまったと聞きました。今、その花の蕾が膨らんできて、陽を浴びて、間も無く咲こうとしています。
何か、いのちが再生、回復して行く様子を眺めている様に感じております。何年も前に、家内が駅前の花店で買って、プレゼントしたハイビスカスが、弟の家のベランダで、世話が好いのでしょうか、咲き続けているのだそうです。
この写真の〈サルビア〉は、秋になって買って来て、高根沢に持って行って、再び持ち帰った花です。そしてテーブルの上には、何度も床に落とされては、花や茎をへし折られてしまった〈胡蝶蘭〉の小鉢が置いてあります。そんなことにめげず、今まさに茎の先端の赤みをつけた新しい芽が、咲く準備をしている様です。
《花ある風景》が、コンクリートの建物中に、住んでいるのを忘れさせてくれる、「小春日和」の午後です。
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