強かに

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猫、犬、ウサギ、馬、牛、山羊、羊、豚、たまに鹿や熊や猪くらいが、これまで私の身の回りにいた動物でしょうか。小学校の頃に、上野の動物園に遠足で行きました。写真とか絵本でしか見たことのない動物を見て、新しい感動を覚えた日だったのです。中学校二年生の頃に、「多摩動物公園」ができて、出掛けてみました。その大きさと、動物の種類の多さ、柵のない檻の中で、自由に行動したり、バスの乗車して園内を見学する様子は、今までの動物園にないことでした。

子育てをした街にも、小さな動物園がありました。白熊が、左右に頭を振って、不快感を表していて、何と無く気の毒に持ったりしたものでした。圧巻だったのは、長女が、あの大きな象を見たときに、へたり込んだではありませんか。絵本の象と、本物との違いに驚いてしまったからでした。あの姿は忘れられません。

先日、動物の習性を聞いたのですが、草食動物のキリンの睡眠時間、熟睡時間は、三十分にも満たないのだそうです。弱肉強性の世界で、常に警戒心を怠らないためなのだそうです。惰眠を貪ってしまう人間との違いに驚かされます。でも、なかなか眠れない方も、多いそうですが。

札幌の病院に入院していた時、北海道民の自慢は、やはり「旭川動物園」でした。廃園の危機から、日本でも一、二を争う様な、人気を勝ち取ったことへの誇りなのでしょうか。映画にもなって、観たことがありました。もう少し長く入院していたら、抜け出して、旭川まで行って、入園してみたかも知れませんが、叶えられませんでした。

ある動物園に、〈一番怖い動物〉の檻があるそうです。猛獣でしょうから、興味津々で、檻の中を、みなさんが覗き込むのだそうです。そこには猛獣の代わりに、鏡が置いてあって、見学者の顔が映る様にしてあったとか。本当なのか、冗談なのか分かりません。

人間って、〈したたか(強か、健か〉ではないでしょうか。生まれてから、物を掴むことも、立ち上がることも、歩むこともできないまま、完全に受け身であったのにです。〈したたか〉について、“ goo辞書に、「[形動][文][ナリ] 粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま。「世の中を―に生きる」「―な相手」 強く、しっかりしているさま。「―な後見役」「―な造りの家」 p 強く勇猛であるさま。「力が強く勇気があって―な豪傑である」〈魯庵社会百面相 程度がはなはだしいさま。「いと―なるみづからの祝言どもかな」〈・初音〉 分量がたいへん多いさま。「国の事など―に申し居たるさま見るに」〈夜の寝覚・一〉」とあります。

いい意味で、『この人は〈強か〉に生きている!』と言われる様に、残された日を生きていくことにしましょう。

(“ creema ” の木製の象です)

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