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フランスのドキュメンタリー映画、「子どもが教えてくれたこと 」を観ました。2016年に、監督・脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンで、アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テゥデュアルの5人の子どもたちの出演でした。フランスでの反響が大きく、23万人に人々が感動されたのです。[映画.com ニュース]に次の様な解説があります。

『病気と闘いながらも今を懸命に生きる子どもたちを描き、フランスで23万人の動員を記録したドキュメンタリー「子どもが教えてくれたこと」が、7月14日公開する。アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン監督が来日し、撮影の過程や子どもたちとの交流を語った。

腎不全、動脈性肺高血圧症、神経芽腫、表皮水疱症など、それぞれが病気を抱えている5人の子どもたち。治療を続けながら、毎日を楽しく、精いっぱい生きる。子どもたちの姿を映し出す。

自分の置かれた状況を理解し、悲観しないで前向きに生きる子どもたちの言葉の一つ一つが深く、胸に響く。実子を亡くしたジュリアン監督の経験が製作のきっかけになったという。初監督作を最後まで撮りあげることができた原動力は、やはり子どもたちの存在だ。

「彼らに発言権を与えたいという思いが私の中に強くあったのです。どんな風に、彼ら一人ひとりが人生を見ているか、彼らのものの見方を彼らに話してもらいたかったのです。感動の場面の連続で、職業人としても、人間としても強い経験をし、途中で投げ出したいと思うようなことはありませんでした。映画の撮影が終わり、私たちと離れて彼らがそれまでの生活に戻ってしまうのが一番寂しくつらかったこととも言えますね」

撮影前に長い時間をかけ、医師や病気の子どもを支援する団体などをリサーチ。そこで、映画に出演する子どもたちの紹介を受けた。「告知されたばかりの子どもではなく、数年たって自分の病気を受け入れている子どもを紹介してくださいと頼みました。シャイな子もいましたが、おしゃべりな子を選びました。病気の子が普通の子どもよりしっかりしているかどうかわかりませんが、彼らは自分の状況をしっかり把握しているのです。隠し事、秘密がないからこそ、のびのびしているのかもしれません」

入院生活にカメラが潜入する。家族と医療従事者以外の大人であるクルーと、子どもたちのやり取りはスムーズにいったのだろうか。「病院に行ったのは私と撮影監督と録音技師のみの3人、少数精鋭の小さなチームです。子どもたちは好奇心いっぱいで、撮影されたいという思いが感じられました。時々、子どもたちのほうがカットをかけたり、カメラの裏に回ったり……彼らが映像機器と遊んでもらうような時間を設けて、撮影の状況に慣れてもらいました」

自身の子育て、そして今回の出会いを経て、子どもを通して学んだことは「まず、親や大人が心を開くこと」だという。「彼らは大事なことをとても自然な形で教えてくれるのです。哲学者のように考えたり、何かのコンセプトにたどり着くわけではなく、感じていることをそのまま口にしているのです。その言葉は、私自身が子ども時代に感じたことと共鳴します。未来を心配するのではなく、彼らのように今を生きればいいのではと思いました」

現在も5人の子どもの家族と交流を続けている。「日本でこの作品が公開されると報告して、ポスターの写真をメールで送りました。なかなか旅行ができない彼らの言葉が、こうやって世界中を旅すると考えるだけで、感動します」』

自分がお母さんの胎内にあった時から病気である自分を、ありのままに受け入れて、誰のせいにもしないで、生きている姿が、この5人に共通しているでしょうか。『病気でも幸せになれるんだよ!』、『この病気と言う扉を開けなければならない。でも、その死の扉よりも、もっと強いのは《愛》だ。』と、子どもたちが言っていました。親も病院のスタッフも教師も、親族家族が共に、今を肯定的に生きている様子が素晴らしかったのです。

必見に値するドキュメンタリー映画です。“ amazon ” でダウンロードして観られます。土曜日の午後、やってきた息子が、観られる様にしてくれたのです。家内は、自分の闘病と重ねて、感慨深く観ておりました。
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