休暇

 

 

この写真の車は、「ジムニー」と言います。四輪駆動の軽のジープで、知る人ぞ知る車で、私は、この車に魅せられた一人で、多くの人が、『いつかクラウンに!』と言っていた頃に、私は、『いつかジムニーに!』と心秘かに思い続け、慕い続けてきた車なのです。

東京から中部山岳の街に、アメリカ人起業家に伴って、引越しを決めた時、時間のある時に、休暇を貰って、この車に乗って、奥深い林道を走って、冒険心を満喫しようと思って計画していたのです。ところが、これを買おうとすると、子どもが与えられ、経済的には買えるどころではない状況が、4度繰り返していきました。少し安定したかと思う矢先、今度は、彼らの教育費の必要が出てきて、けっきょく買えずじまいで、今日に至ったわけです。

中古販売店の前を通ると、いつも目に飛び込んできたのは、この「ジムニー」でした。3台ほど車を持っていた時期もありましたが、みんな貰い物で、『使わなくなったので!』と言われたものばかりでしたが、その中には「ジムニー」はありませんでした。そんな私の思いを知って、今週手放すことになった「ジムニー」に乗せてくださって、温泉に、その友人が連れて行ってくれたのです。

家内は、友人の夫人がお世話くださったのです。ずっと家内の世話をしてきた私を、いつか休ませ様と、友人が計画してくれていたのです。去年の暮れからですから、半年振りの〈休暇〉になるでしょうか、家内への責任を、友人の奥様にお任せして、郊外の温泉施設に、この友人と行くことができました。これは私たちに家を使わせて下さっている友人夫妻の心遣いなのです。

しばらく前から、友人は、『ご主人には〈休暇〉が必要です!』と家内に言っていたそうで、それを今日は実行して下さったわけです。途中、山深いところにある、蕎麦屋まで遠回りをして、蕎麦をご馳走しようとしてくれました。請求書を横取りして、すんでのところで、私が支払いをしたのです。天ぷらの付いた、大盛りの〈ざる蕎麦〉で、実に美味しかったのです。

今日は、憧れの「ジムニー」に初めて乗せて頂き、〈休暇〉を取ることができた1日でした。その入浴施設の回数券を、もう何ヶ月も前に下さって、時間をとって行く様にして下さっていたのですが、これまでできずじまいだったのが、今日は、こう言った《心憎い形》で、一時の〈休暇〉を満喫できた次第です。兄弟にも勝る友人の配慮と友情に感謝でいっぱいです。

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お便り

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百合さん

退院おめでとうございます。
長く入院されていたとお聞きしました。内臓の治療というのは、本当に長期間の入退院だったり、一生付き合っていかなければならない病が多くありますものね。

入院される皆様、それぞれに自分にしかわからない悩みや苦しみ、痛みや葛藤と戦いながら過ごされているんだろうなあ〜って、入院するたび思います(笑)

また、そこに寄り添うご家族がやっぱり温かな人かどうか、その人の人柄も見えてくるな〜って。百合さんの声の優しくて気品のある声が好きです。

誰に対しても丁寧な心配りを持ってて・・・ご自分も辛いのに、まずまわりに“感謝“できるって”素敵な人だな〜って、いつも部屋のスミから感激していました。どんな時でも、人を思いやれる優しさが、百合さんの素敵な笑顔が、きっと、いつも自然と周りを幸せにしてくれるんでしょうネ。

これからも、治療は続いて行くんでしょうし、体調にも波がある時も、もちろんあると思いますが、どうか、お身体を大切に・・・。

そして優しい旦那様とご家族と素敵な時間を沢山沢山築いていってくださいね。
百合さんの笑顔と幸せと健康を、いつまでも願っております。
多い時は、月に三回は外来にきているので・・・もし、何処かでお会いできた時には声をかけて頂けたら嬉しいです。
少しの間でしたが、仲良くして下さって本当にありがとうございました。
では。
2019.4.15
愛海より
[解説]       これは、家内が退院する4月15日(ちょうど2ヶ月前です)に、同じ病室の廊下側のベッドに入院されている方から、家内が頂いたお便りです。この若いお母様は、妊娠しながら、体調を崩されて入院されていた様です。早期の治癒を願っています。退院して2ヶ月が経過しましたので、迷いながらも決心してアップすることにしました。

(独協医科大学病院の周辺の春と秋の風景です)

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