揺れた心

 

〈揺れる信念〉、これが今の心境です。昨年の決心と信念が揺れ動いています。家内の入院で、車の運転のできないもどかしさを覚えて、『失効してしまった運転免許証は、〈やむを得ない事情〉があるなら、失効取り消しの可能性があるのではないか!』との思いがあって、意を決した信念が揺るぎ始めているのです。

今日は、県の免許センターに、執行取り消しの相談に行く決心をしているのですが、それも心が揺れて、平安がないのです。その理由は、免許証があったら便利だし、こちらで運転している同世代以上の方たちより、まだ運転技術は上だ、と誘惑されているのです。

『便利さと技術が上の空自信で、あの決心を変えてしまっていいのか?』と言う思いが強くなってしまっている朝です。7時23分に電車で出かけようとしているのですが、行くか、止まるかと迷っています。迷っている時は、一歩を取らないこと、これが《天からの声》なのでしょう。

〈13年の運転空白期間〉は、高齢者の運転再開には、はなはだ危険だと判断した理由は、きっと正解だったのです。この躊躇逡巡は、《天声》であり、《内なる声》に違いありません。衝動的な自分としては、こんなに冷静になれるのが不思議です。

〈別れた免許証〉を追いかけるのをやめます。〈揺れた心〉を落ち着かせた、これが、今朝四時の私の決定です。

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温泉?

 


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まだ行ったことがありませんが、秋田県仙北市に「乳頭温泉」と言う、「秘湯」があります。秋田藩の歴代藩主の佐竹氏が、この温泉で、湯治をしたと言われているように、長い歴史があります。

これは想像ですが、私の父は、秋田鉱業専門学校(現秋田大学鉱山学部)に学んだのですが、学業中に、級友と一緒に、この温泉に出かけたことがあったのではないかと思うのです。もちろん、温泉ブームなどない昭和初年のことですが、誘い誘われ湯治に出かけているのではないでしょうか。

日本人の入浴習慣は、世界を驚かせてきていますが、かく言う私も温泉が好きです。日本中の自治体が、掘削して温泉を掘り当てた時期がありましたが、新しくできた日帰り入浴施設に、一息つきたくて、よく出かけました。

ところが、こちらに参りましてから、滞在中の家の浴槽が大きいので、貧乏性なのか億劫性なのか、「独り風呂」になかなか入らない私を、子どもたちに見抜かれていて、背中を押されているのです。

下の息子が、先日、家で温泉を楽しめるようにと、「入浴剤」を買ってきてくれました。その中に、「乳頭温泉」と同じような白濁の湯に浸かれるようにと、気を使ってくれたのです。シャワーだけですませていたのですが、小原庄助気分で、「朝風呂」を、一昨日の朝、たいたのです。

もちろん、そのお風呂は、「乳頭温泉」でした。『ああ、いい湯だな!』の気分を満喫してしまいました。これで気分爽快の私は、同じ病院に、MRI検査に行く友人の車に同乗させていただいて、家内を見舞いに行ったのです。新しい点滴の管を付け替える日でした。

無事に終わるのを見届けて、帰宅したのです。こちらに広がる田園風景は、来た頃に比べ、ビール麦の緑が、色濃くなってきて、そろそろ稲作の準備や、野菜の栽培も始まるのでしょうか。レンゲが咲いたり、桜の芽が膨らんでき始めてきている3月の中旬です。

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