十代の母をときめかせた、凛々しい青年が、この呉(くれ)の隣にあった江田島海軍兵学校にいたのです。私が青年期を過ごしていた時に、少女の頃を思い出したのでしょうか、眩しそうに母が話してくれました。
母親は「母親」なのに、自分の母が「女」なのだと気付いた一瞬でした。憧れたり、慕わしく思ったり、そばに居たいと言った衝動を覚える思春期、青年期を過ごしていたわけです。
息子たち、娘たちが、自分の母親が、「女」なのだと言うことを、何時、何処で、どんなきっかけで知ったんだろうかと、思ったりしている朝です。
今日の栃木は快晴です。現実は、ごみ出しの日、朝一番で、集積場に出して、ソファーに座って、愛読書を開き、人を思いながら、そんな思いにふけっております。
北関東の山を遠くに眺める、この地は、朝焼けと夕焼けが、やけに綺麗です。家内も私も子どもたちも魅了させられているのです。面会できてもできなくとも、次女の運転の帰途につく車から眺められる夕焼けは感動ものです。
長女と次女家族がやって来て、40日になります(長女は一旦仕事で任地に戻り、主人を連れて再来しました)。毎日、入院中の母でありバアバであり妻を見舞いに通った道は、近道も見つけたり、渋滞を避けたりした日々でした。
明日、それぞれの街に帰って行きます。オセンチにならないようにしよう、そう決心している朝です。そう言えばレンゲが、昨日の帰り道、道路脇の畑で咲いているのを見つけました。
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