東京音頭

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「東京の市民が誰でも歌えるような歌を作ろう!」ということで、1933年に、元歌から、西条八十の作詞、中山晋平の作曲で作られたのが「東京音頭」でした。

ハア 踊り踊るなら
チョイト 東京音頭 ヨイヨイ
花の都の 花の都の真中で サテ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

ハア 花は上野よ
チョイト 柳は銀座 ヨイヨイ
月は隅田の 月は隅田の屋形船 サテ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

ハア おらが丸の内
チョイト 東京の波止場 ヨイヨイ
雁と燕の 雁と燕の上り下り サテ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

ハア 西に富士ケ嶺
チョイト 東に筑波 ヨイヨイ
音頭とる子は 音頭とる子は真中に サテ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

ハア 昔ゃ武蔵野
チョイト 芒の都 ヨイヨイ
今はネオンの 今はネオンの灯の都 サテ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ
ヤートナ ソレ ヨイヨイヨイ

明るくて、リズミカルで、さらに日本伝統の民謡で、幼児から老人に至るまで歌えた、あの時代を反映した歌です。ある時、私の義母が、突然、この歌を歌い出したのです。少々痴呆症が出てきた頃だったでしょうか。手を打ちながら、歌い出したのです。ついぞ聞いたことのない歌と歌声に、家内も私も目を丸くして驚いてしまいました。青年期だったのでしょう、きっと懐かしく楽しい出来事があって、当時流行っていた、この歌の歌詞とメロディーと共に、記憶の中に組み込まれていたのでしょうか。ふと思い出して、唇から突いて出てきたに違いありません。

長生きして、子どもや孫たちが、「ジイジが変な歌を歌い始めたよ!」という<ボケ期>が、やがて来ることでしょう。健全な歌でしたら無害ですが、戯れ歌を歌っていた過去のある私ですから、自分の本性が露わにされてしまうのでしょうか。恥ずかしさは本人には、もうないのでしょうけど、子や孫には恥ずかしい思いはさせたくないものです。「ジイジはどう生きて来たのだろうか?」と訝しがる彼らの顔が見えてくるようです。まあ、そんなことにならないように、今を、きちんと生きていかなければなりません。そんな心配までするようになったことが、信じられません。年齢を重ねることにも、素晴らしいことがありますので、ご心配なく。

(写真は、地下鉄の「銀座駅」です)