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私が働かせて頂いている学校の図書館の前に、噴水があります。高々と水が音を立てて吹き上げられ、池の中に落水しています。その噴水の水を飾るように、今、「紅葉」が真っ盛りです。厳しい寒さの日本では、とっくに落葉して、枯れ木になっているのに、こちらでは、「町の名物」になっているのです。図書館の前の芝生には、カメラを持った学生や、友人、噂を聞きつけて駆けつけたカメラマニアたちで、結構賑わいを見せています。

『一月に紅葉はないだろう!』とお思いかも知れませんが、冗談ではないのです。今日、前学期の成績表を持って事務室に行く用があって、そこを通りかかった時の光景なのです。華南の地では珍しいようで、学外にも名を馳せていて、これをカメラにおさめようとする人が多いのです。「我が母校の誇り」とか、「我が学び舎の(キャッチコピー)」を書いてもらますと、三、四人の学生さんは、この「紅葉」を取り上げています。上級生や卒業生からも、同じ印象が語られてきているのです。

私たちが住んでいます、この街は、ずいぶん前から、都市計画の中で緑化に力を入れてきたそうです。その成果でしょうか、樹木が多く、四季折々の花を咲かせている景観は、やはり誇りに思っている方が多くおいでです。森林公園が、街の北にあって、そこから奥の方には欝蒼とした森林が深山を形作っています。11月に、長女が来ました時に、そこまで車で連れて行ってもらったのですが、奥多摩や秩父のような自然景観があって、心が和んだことでした。

昨秋、次女が孫たちの写真を送ってくれたのですが、枯れ葉の中に埋もれて、目だけが写っているのがありました。それを見ていて、枯葉の匂いがしてきたのが不思議でした。冬場の山道は、この枯葉の匂いがして、何とも言えない落ち着きを与えてくれるので大好きなのです。誰も見ていなかったら、枯葉を集めて、孫ベエのように枯葉の中に身を隠してみたいものです。

季節の移り変わりが、日本と比べて、少しずれて感じられるこの街の生活にも、ずいぶん慣れてしまったようです。仕事をし終えた開放感が、何とも言えず『いいなー!』の今です。