名山

 「日本百名山」があるなら、ここ中国にも「百名山」があっていいと思うのですが。南北に走る日本列島の背骨の部分が山岳地帯で、山が織りなすように重なっている日本とは、こちらは違うのですが、一般的な「中国四大名山」というのは、黄山(安徽省・1841m、廬山(江西省・1474m)、泰山(山東省・1545m)、華山(陝西省・2160m)らしいです。ちなみに五岳(五名山)は泰山(東岳・山東省)、衡山(南岳・湖南省)、嵩山(中岳・河南省)、華山(西岳・陝西省)、恒山(北岳・山西省)だそうです。

  深田久弥が、書き始めた山岳随筆が、1964年に本となって出版されてからでしょうか、「百名山」と言われるようになったのです。人に人格があるように、山にも「品格」があると深田久弥は述べ、そういった点から選ばれているようです。その他に、「ニ百名山」とか「三百名山」というように呼ぶ山もあるようです。この深田久弥が、1971年3月、登山中に脳卒中で急逝したのが、「茅ヶ岳」です。この山は、山梨県韮崎市にあり、標高1704メートルといった低い山ですが、頂上からは、富士、八ヶ岳、南アルプスの峰々が眺められ、二百名山の1つに数えられております。

 山好きな方に誘われて、この山に登ったことがありました。頂上の枯れ草に横になって、昼寝した時の気持ちよさが最高だったのを思い出します。登山道の脇に、深田久弥の「終焉の地」と書かれ小さな碑があり、彼、68歳の時だったようです。先日は、70過ぎの女性登山家が、エベレストと登攀に成功し、最高年齢記録74歳を樹立したと、ニュースが伝えていました。凄いことですね。日頃の鍛錬が、どれほどであったかを知らされるのですが、このかたのことを考えると、帰国時には、再び「茅ヶ岳」に挑戦するのは、そんなに難しく、尻込みすることでもなさそうだと思われますが、帰国時に、手4ンキが好かったら挑戦してみたいものです。もう1つ考えているのが、「入笠山」です。この山も、茅ヶ岳に近いところに位置して、頂上からの眺望はピカ一の山なのです。季節はずれの12月ノアm値上がりのあった週の週末に、家内を誘って登ったのですが、斜面には雪が残っていて、頂上に登るのを諦めて、林道を回って下山した時の難儀が思い出されてしまいます。危なく遭難だったのですから。

 『気ばかりが若いんだから!』と、女房によく言われますが、今は、マウンテンバイクにまたがって、炎天下を颯爽と走って(自分ではそう思うのですが、はたから見てなんと思っているかはわかりませんが)、老化防止の運動に余念のない私ですが。今春、退職した弟を誘ってみましょうか。二人で登ったら、実現できそうですね。3月末に母が召されましたから、帰国の一大目的がなくなってしまったのですが、そんな楽しみを懐に、やはり、今夏も帰国したくなって参りました。

(写真は、〈http://homepage3.nifty.com/yasda/Oni/kaya.htm〉の「茅ヶ岳」の日の出です)