真夏の麗花にニコニコと

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 このところ「外出禁止令」、強制力のない知らせが、市からあります。きっと戒厳令が敷かれた時には、そんな命令が国からあったのでしょう。まだ平和な今日日、年配者の私たちに、『ノドは乾かなくても、水分補給を励行してください!』と勧められてもいるのです。昨日もアメリカでも、ギリシャでも、異常な高温であることのニュースを知らせていました。

 それでも、私たちの家のベランダで、青々と朝顔の葉が繁り、花を咲かせ、ペチュニアも桔梗も咲いて見せてくれています。朝方と夕べに、水やりを家内がしてくれています。明日から八月(8よりも漢字の方が涼しそうです)、そろそろ夜間の涼しさが、戻ってきそうな期待感があります。

 昔の街中は、「打ち水」が打たれ、「簾(すだれ)」が置かれ、「風鈴」が涼しげな音を立てて、涼を感じさせてくれていたのを思い出します。小学生だった二人の娘に、「葦簀(よしず)」を、店に買いに行かせ、娘たちが、騒ぎながら担いで帰って来たことがありました。恥ずかしかったそうです。友だちに、その様子を見られたのでしょうか。

 あんな夏、こんな夏があったのを思い出しますが、二人っきりの〈空の巣(からのす)〉の生活です。昨日、われわれ世代のご夫妻が、家の中で扇風機だけはかけ、空調なしで、亡くなっていたとニュースが伝えていました。熱中症だと思われます。そういえば、大きな病院に急ぐ救急車の発動があって、家の近くの昨日は、6、7件あって、サイレン音が聞こえてきたのです。〈次〉にならないように、仕切りに、《水補給》を、家内に促されています。

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 先週の木曜日は、三か月ごとに送り迎えをしてくれる長男の車で、家内の通院に、水筒係で従いました。血液、尿、レントゲンの検査で、異変なしの診断でした。《胡蝶蘭》の花びらを、主治医の机上に置いて、『少しでも涼を!』と、家内のささやかな感謝の gift に、ニコニコと喜んでおいででした。

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