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「日暮らし」と書くのだと思っていましたら、正しい漢字は「蜩」でした。知らない漢字に出会って、浅学さを思い知らされてしまいました。と言うのは、来月、「蜩ノ記」と言う題名の映画が、日本で公開されるのだそうで、その題名が読めませんでしたので、調べてみて知ったのです。『学校では教えてもらいませんでした!』と言い訳できない年齢になっているので、少々恥ずかしくなってしまいました。『俺に聞くな、辞書を引け!』と言って、広辞苑を買って来てくれた父を、また思い出した次第です。

いやあ、一生が学びなのですね。「弟子」と言う言葉の意味は、『聞く者のことである!』と書いてあつたのを読んだことがあります。初めてのことに、聞き耳を立てて聞こうとする人、学ぼうとする人こそが、「弟子」だと言うのです。九月も中旬、間もなく「秋分の日」がやってきます。それにしても暑い日が続いています。日中は、ゆうに35度はありますし、最低気温だって26度もあるのですから。今日も室内温度が、31度を寒暖計がさしましたので、窓を閉めて、空調を入れたのです。今、雷光と雷鳴で夕立になりました。

かなかなの耳に残りし秋の風

『かなかな!』の鳴き声でも聞こえて来たら、ちょっと涼しさを感じさせてもらえるのですが、こちらでは聞いた試しがないのです。夏の暑さが十一月ごろまで残って、ほんの短い秋があって、冬が来るのです。もちろん夜は、だんだんと涼しくなるのですが、今のところ、その気配がありません。

今日は秋の味覚の「栗」を買って来て茹でました。先おととい、友人宅で出してくださって、とても美味しかったので、『我が家でも!』と、アパートの門の所で売っていたのを買って来て、やってみたのです。酸味のある青みかんと、この栗を食べましたら、秋の運動会が思い出されてしまいました。

今日、我が家に小学校二年生がやって来ました。宿題の入ったかばんを下げてです。どんな宿題かを見たら、「国語」の帳面で、昨日の授業で、拼音(中国版のふりがなでアルファベットです)を書き込んだのを、先生が添削で赤い印を付けてありました。間違いを正すのが、その宿題なのです。そこに「翠」の漢字があってびっくりしました。日本の小学校二年生が覚える漢字は、<180字>だけなのに、画数の多い漢字を、こちらの新二年生で覚えているのです。日本でも、漢字制限などなくしたら好いのではないでしょうか。

これまで、『おかしい!』と感じて来た漢字の中で、「障碍者」を「障害者」と書かせていることです。体の不自由な方は、「有害」の「害」で書き表わされているのです。「碍」の漢字が難しいからだと言うのは、おかしなことだと思って来たのです。書き改めないで、本来の漢字を使うべきだと、常常、思っております。「蜩」も、<虫偏>があった方が、『カナカナ、かなかな!』と聞こえて来そうですから!

(写真は、葉室麟著の「蜩ノ記」の表紙です)