今日は、「車軸を流す」ような雨が降っています。「ことわざ辞典」によると、「雨が激しく降るさまで、雨脚が太くて車の心棒のようだという意味。「車軸の如し」「車軸を下す」「雨、車軸の如し」ともいう。」とありました。こちらの天気予報は、今日は、「陣雨」とあります。<馬の背を分ける>ような「夕立」や「俄雨」のことを言うようです。
日本語には、「雨」を表現する言葉が多いと言われているのですが、それは、四季のどの季節にも雨があるということなのでしょうか。『春雨じゃ、濡れてまいろう!』と、月形半平太の言う、この「春雨」は、雨脚が強くないので、歩けるのでしょう。よく歌に歌われる「時雨(しぐれ)」がありますが、降ったり止んだりする冬の雨のことだそうです。「大阪しぐれ」という歌があるように、関西圏でよく使われるのでしょうか。関東では、季節にこだわらずに、降ったり止んだりを繰り返す雨を、「通り雨」と言います。
『紫陽花の蕾が大きく膨らんで来ました!』と、先日、東京の下町の街角の様子を知らせてくれたのですが、間もなく日本は、「梅雨」の季節を迎えますね。母の故郷の出雲地方では、これを「田植え雨」と呼んでいたそうです。「お米」と呼ぶ 貴い米の苗を植える時期に、恵みの雨をそう呼んだことで、出雲の産業形態が分かりますね。この山陰は雪が多かったので、雪混じりの雨を、「白雨」と言っです。ちなみに、強く降る雨の擬声語を、「たっこらたっこら」と、出雲地方では言うそうですが、ついぞ一度も母の口から聞いたことがありませんでした。東京で子育てをしてくれましたから、そこで強く降る雨を眺めながら、そっと『たっこらたっこら!』と、口籠って、一人感じ入っていたのかも知れません。
五月雨を 集めて 早し 最上川
これは、梅雨の雨を、「さみだれ」と詠んで有名な、芭蕉の俳句です。日本語の雨の言葉は、やはり漢語からきているのようです。中国でも五月の降る雨を、「五月雨(さみだれ)」と呼んでも構わないでしょうか。今晩出かけるのですが、この雨は止んでくれるのでしょうか。
(写真は、夕立を降らせる雲、”ウイキペディア”から)