今朝も、今学期の一教科の早めの期末試験があって、学校に参りました。「大雨」の予報でしたが、傘をカバンの中に入れたままですみました。教え始めた頃のキャンパスは、伝統を感じさせる校舎、生い茂った樹木、ところどこの道が未舗装で、リスや野鳥をよく見かけ、フンを落とされることもありました。学生数なども小人数で、こじんまりしていたでしょうか。
あれから時が経って、年々歳々、キャンパスが整備されてきて、見違えるほどに変わってまいりました。「学生気質(かたぎ)」も同じです。教室にやって来る学生さんも着ている服装が、もう日本の大学生と全く変わらなくハイセンスで、カラフルになっていて、マニキュアをしている学生さんもいるほどです。そういえば、『バイバイ!』と言って帰って行く方もいます。初めの頃には、そんな別れの挨拶をする学生さんは皆無でした。今では緊張しないで、ごく自然に外国人教師と接することができている、やはり<現代っ子気質>なのでしょうか。
道の脇の宿舎の前に、多くの自転車が止めてあります。教室移動に使う代物(しろもの)です。初めの時期にもありましたが、あれらは、ギシギシガタガタの中古品で、卒業して行く先輩から貰い受けた年代物だったのでしょう。ところが、最近見かけるのは、高級なマウンテンバイクが三分の一くらいあります。携帯電話も、かつては一番安いものをご両親に買ってもらって使っていましたが、今は、<アイホーン>を使っている方も見受けます。好い時代になっているのは確かです。
自分が通った学校は、東京のど真ん中にあって、校舎の脇に<都電(路面電車です)>が走っていました。銀座には、それに乗ると15分くらいでした。渋谷も新宿も通学途上にあったのです。学校の正門を入ると、 文化財に指定されそうな名物建築物が左手にありました。マンモス大学と違って、二学部しかありませんから、学生数も少なく、女子が目立っていたのです。男子校から入りましたから、化粧の匂いが強かったのが印象的でした。彼女たちは、『もう大学生なんだから!』と洒落込んでいたのです。
思い返すと半世紀の隔たりがあるのです。バイトに精出していた学生生活でしたが、それでも書を読み、友と語り、知らない街に旅をし、結構楽しく過ごした時代、華の学生時代だったでしょうか。わが青春の日々は、記憶に鮮明なのです。
秋からの2014年度の授業計画の連絡が先日ありました。まだ教える機会が与えられているのは感謝なことです。もう孫と祖父、親の世代を跳び超えた世代なのです。それなのに、先日の授業中に、何と、『カワイイ!』、『カッコウイイ!』と言われてしました。そんな言葉で、年輩教師を激励しようとしてるのでしょう。クチナシが芳香を放ち始めた、五月下旬の華南の街です。
(写真は、”ウイキメディア”による「クチナシ」です)