『起きなさい!』

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「(財)日本青少年研究所」が、2012年4月に「意識調査」を行っています。その一つの項目に、『自分はダメな人間だと思うことがある。』 がありました。これについて、『よくあてはまる。』、『まあまああてはまる。』と答えた、アメリカ、中国、韓国、そして日本の高校生の割合は、次のようでした。

日本 83・7%
アメリカ 52・8%
中国 32・9%
韓国 31・9%

この数字を見ますと、日本の高校生たちの割合は、他の三国に比して突出していることが分かります。どうしたことでしょうか、日本の若者たちは、自分に対する確信や自信、肯定的な受け入れがなされていないのです。こんなに自然的にも精神的にも経済的にも祝福されているのに、それを享受していないのです。

日本語学科の学生に、「作文指導」をさせてもらって五年ほど経ちます。ある学生が、『私たち中国人は、胸を張って堂々と歩くのです。それは人にバカにされたくないからなのです。』と、ある主題の中に、そう書いていました。そういえば、街中で行き交う人を眺めていまして、建設工事現場などで働く「打工dagong(内陸部の農村からの出稼ぎの人をそう呼びます)」の人たちも、大学教授も商店主も学生も、堂々としているのです。

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日本に帰って来て、空港や港から上陸した途端、『中国の街中と違っている!』と感じる一つのことは、日本人が猫背のように、俯き加減に歩いている姿です。生きる問題に圧倒されているのか、大事な物をなくしてしまったのか、お腹が痛んでいるかのようにしか見えないのです。自信がなくて、うつろな雰囲気が日本人を満たしているのです。いつも思い出すのは、中学の時の担任が、『鎌倉時代の日本人は快活で闊達で溌溂といて生きていたのです!』と言った言葉です。

何が、その快活さや闊達さや溌溂さを奪ってしまったのでしょうか。どうしたら、それらを取り戻すことができるのでしょうか。<勤勉で律儀な日本人>なのですから、好い意味での<誇り>と<自信>を、若いみなさんに持っていただきたいものです。「山紫水明」の国土の中で生を受け、篤い両親の愛に育まれ、守られてきたのですから、感謝をし、期待に応えて生きて欲しいものです。そうですね、自分を<愛すること>です。ありのままの自分を受け入れて、感謝して、この自分で生きて行くことです。不満や不足を数えるより、「優点(優れて秀でたもの)」を数え上げて生きる方が、どんなにか素晴らしいに違いありません。

その確信を持って、近隣諸国に住む方々と、和して、友好を深めて生きて欲しいものです。『青年よ、あなたにいう。起きなさい!』

(写真は、”MSNの画像”から「城址の紅葉」、"JAPAN WEB MAGAGINE"の「桜」です)