ポッカポカ

 

 

春の陽を浴びて、庭先の物干し竿の下に咲く花です。見落として、踏みつけてしまいそうな、小さな花ですが、今までなかった《新しい春》を見つけたようで、嬉しくなってしまいました。この花の一つほどに着飾ることのない自分の人生を思って、小石の間に生い出でた花を、しばらくかがんで眺めていました。

春に呼び起こされたのでしょうか、春の到来を告げるのでしょうか、咲く花に、恩師が、『野の花の如く生きなむ!』と書き残して下さった「ことば」を思い出してしまいました。食事の用意も、洗濯も、掃除も、ほとんどの家事を、家内に任せっきりで、時々手伝うだけでしたのに、その日々を償うかのように、家事の責任を負うこの頃なのです。

来週早々に、訪ねて来られる中国の「好朋友haopengyou」を迎えるために、洗濯したシーツや枕カバーやタオルケットを、取り込もうとして、ふと足元に見つけた花です。除草剤をまいてきた庭なのに、小さな命を輝かしていたのです。

〈年中〉に昇級した友人の孫娘が、『◯子さんに会いたい!』と言ってると、お嬢さんを幼稚園に送った帰りに、彼女のお母さまが、家内を見舞ってくれて話しておいででした。ポッカポカの春です。

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